Woozi ページ20
ジフンはいつでも優しくて、男らしくて、頼れるかっこよくて私の初恋の人だった。
幼馴染だから登下校を一緒にして休み時間はどちらかの席に行って喋ったり課題したりして。周りの女子から羨ましがられることだってあった。
私にだけ優しくて、
けどそんなこと無くて、ただそれは私の勘違いで自惚れだった。
いつものようにジフナに帰ろうと声をかけて帰る。はずだった。
『ジフナ〜帰ろ〜』
「あ、いやごめん。俺今日は1人で帰るわ」
『え?ちょ、』
「朝は行くから許して、あ、じゃっ、」
『は?え、ちょちょちょ、』
逃げるかのように私から離れるジフンと置いてけぼりにされた私
今まで一緒に帰らなかったことがなくて予想斜め上をいった言葉に呼吸を忘れるほどのショックを受けた。
どれくらい経っただろうか、
肺の中が空っぽになって身体中が酸素を求める時になってようやく(仕方ない。1人で帰ろう。)と酸素のない頭で考えついた。
夕日に背中を押されるようにして教室を後にした。
帰る途中飲み物が欲しくなってコンビニに寄る。
この日は何故かいつも飲まないけどジフンのお気に入りのアイスアメリカーノを選んだ。
コンビニを出てからしばらく歩いていると前の方にカップルらしき2人組が見える。
どちらも背は高いとは言えないけれど後ろから見ても幸せオーラが溢れている。
『いいなぁ…』
思わず独り言をしてしまった。ハッとして周りを見るけれど私とあのカップル以外に人はいなかった。
余りにもそんなに幸せオーラ出されたら気まずいのでスマホをいじる。SNSを適当に見るけれどどれもつまらなくてすぐカバンの中にしまった。
気づいたら前にはカップルはいなくてさっきの彼氏らしき人が歩いているだけだった。
急にふとなんか見覚えある姿に見えた気がした。
気がしただけでよかったのに。
気がしたのではなくそこには間違いなくジフンがいるだろう。
なんで、1人で帰るって言ったのに女の子と歩いてるの?
嘘をつかれた事にショックを受けた。
ナイフを突き刺されたような感覚がして足が止まる。
右手に持ったアメリカーノはカップについた水滴が垂れた。
あぁ、泣きたい。裏切られたように感じてすごく辛い。
今すぐ子供のように泣きたい。
声を上げて、泣いていたらジフンは傍に来てくれるだろうか。
「A?」
急に後ろから声をかけられる。
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作者名:瑠桜 | 作成日時:2022年6月10日 0時