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第4話_その八 ページ43









「「「「………………」」」」


秘密基地に重たい空気が流れる。
やっぱ言わない方が良かったかな……と道史は少し不安に思った。


「あれからAは変わったんだ。
あの日のぐしゃぐしゃの泣き顔を最後に、アイツの笑った顔も泣いた顔も見てない。」


表情が消え、"クール"だと呼ばれるようになったのはその日からだ。

花火のせいで父親が死んだわけじゃないと分かってはいるけど、素直に花火を受け入れられない自分がいる。毎年花火大会の日が来ると、亡き父の優しい笑顔を思い出して悲しくなるのだ。


「なんか……ごめんな、重い感じになっちゃって」

「いや、俺こそ何も知らないでごめん」

「Aって自分の事なんにも話さないからさ。分かんないのは当然だよ」

「どうするよ。このままじゃダメだろ」


最後にそう呟いたのは、黙って話を聞いていた悟だ。Aの事を『姐さん』と呼び慕っている彼。Aのために力になりたいと、この中の誰よりも強く思っていた。


「俺らにはどうすることもできないよ。
きっとまたメンチ切られて終わりだって。」

「やだ!俺は何としてでも姐さんを花火大会に誘いたい!心のモヤモヤを取っ払ってやりたい!」

「でも……」

「そうだぞ、道史」

「え?」


ニッと笑った三平が、道史の肩を叩いた。
「俺が話聞いてきてやる」と言うと、ふらりと基地を出ていってしまった。


「俺も謝んなきゃな。へし折られちまう」

「「「お前、棗/ナッちゃん/A/姐さん に何言われたの」」」









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- ナッちゃんってあだ名読者が読みやすいようにこのあだ名も変換できたほうがいいと思います (2020年10月3日 3時) (レス) id: 9a687a3599 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 真夏の少年待ってました!めっちゃキャラいいですね!!那須くんとの絡みが少ないものが多かったので嬉しいです! (2020年8月7日 2時) (レス) id: 8da083b7de (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!真夏の少年書いてくれて嬉しいです!!私も落ちはひだか君がいいです!! (2020年8月1日 19時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
ayu(プロフ) - はじめまして!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年8月1日 15時) (レス) id: 3c6e877405 (このIDを非表示/違反報告)
- 今日から始まりましたねオチは私的に飛貴くんがいいです (2020年8月1日 0時) (レス) id: 1c8b5a85be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいふくリンゴ☆ | 作成日時:2020年7月29日 19時

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