真夏の少年~19452020~

第1話＿前代未聞の大問題。飛び降り自殺とタイムスリップ ページ4

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━━━━━━━ガコンッッ!!!!


｢?!｣


椅子の倒れる音がして、本能的に振り返る。
そこには悟が頭にバスケットボールをぶつけられて倒れていた。どうせまた居眠りだろう。
肘を擦りながら起き上がった悟は、笑いながら見ていた竜二と喧嘩(ごっこ)を始めた。


｢ナッちゃんみてよコイツらw｣

｢暇なの｣

｢相変わらずクールだなぁ。
ナッちゃんの冷気で氷河期再来すんじゃねーの？｣

｢ンな物騒な｣

｢あれ？｣


すると悟はハッとしたように我に返り、｢なんだ夢か｣と呟いた。
寝落ちする前に読んでいたマンガが忘れられず、その主人公になる夢を見たらしい。


｢あっちィ…………｣


マンガをうちわ代わりにしてパタパタ扇ぐ悟。
そんな視界の隅に、あるものが映った。


｢あーーーーｯｯ?!｣

｢どした？｣


窓の向こうの方に見える街並み。その中にあるビルから、


＿＿＿＿＿＿誰かが飛び降りたのだ。



｢ちょ、これヤバいって！早く！｣

｢え？｣


悟は慌てて立ち上がり、不思議そうにこっちを見ている竜二と篤の手を引いて走り出した。
もし見えたのが本当なら大事だ。死んでないといいけど、と階段を駆け下りていく。


｢何見たんだろうね｣

｢さァ｣


血相を変えて飛びだして行ったのだ。
只事ではないと察したものの、｢別に関係ないし｣とヘッドホンを付け直した。

今思えばこの事件をきっかけに、歯車は動き始めていた。









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