第3話_その二 ページ28
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「あーー!」
すると突然、竜二が雄叫びをあげた。
「道史がここに居ることバレたら俺らやべーぞ!」
財前が飛び降り自 殺しようとした事を知った奈津子が、学校に乗り込んできたことがあった。
その時に「道史に何かしたらぶっ殺す」と脅された竜二の顔は真っ青だ。
「ナッちゃん何とかしてくれよ!」
「これ以上無理」
━━━━━━━prrrrrrrr……
「なんの音?!」
「あ、私だ」
Aのケータイが鳴り始めた。
一同が固唾を飲んで見守る中、画面を2、3回タップしてから通話に出るA。
「もしもし何。今?別にどこでも良くない?
………………あー、やっぱ来たか」
誰だよ?と聞いてくる明彦に「マイマザー」と口パクで返す。そう、電話をかけてきたのはAの母親だった。
『奈津子さんが来たのよ。道史くん家出したらしいわね?』
「で、なんて言ったの?」
『きっとアンタも関わってるんじゃないかなーって思って。Aなら昨日から友達の家に泊まりに行ってて居ないって言っといた』
「ありがとうお母さん大好き」
そのまま電話を切る。
読み通り、やっぱり奈津子はAの家に来た。ここで上手く嘘をついてくれた母には感謝してもしきれない。
「柴山、やっぱ奈津子さん来たって。」
「そうかよ……………………あ」
すると道史は血相を変えて、自分が持ってきたリュックに掴みかかった。
一体何があったのか。なにやら探しているように見えるけど。
「タブレットがない!」
「これ使っていいよ」
「それじゃねえんだよ!」
「わぁあ!」
心優しい和彦が自分のタブレットを渡すと、また突き飛ばされてひっくり返る。
なんとまあ我儘な、と男子陣は目を見張った。
「母親にワーワー言われんのが嫌で出てきたってのに忘れ物したくらいでオロオロしちゃって。
結局は母親の呪縛から逃れらんねーだけじゃん。だったら帰れって話よ」
「………………馬鹿が正論言ってる」
「あァ?!オイ誰だ馬鹿って言ったやつ!!」
「私だけど」
「なんかサァセン…………」
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ん - ナッちゃんってあだ名読者が読みやすいようにこのあだ名も変換できたほうがいいと思います (2020年10月3日 3時) (レス) id: 9a687a3599 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 真夏の少年待ってました!めっちゃキャラいいですね!!那須くんとの絡みが少ないものが多かったので嬉しいです! (2020年8月7日 2時) (レス) id: 8da083b7de (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!真夏の少年書いてくれて嬉しいです!!私も落ちはひだか君がいいです!! (2020年8月1日 19時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
ayu(プロフ) - はじめまして!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年8月1日 15時) (レス) id: 3c6e877405 (このIDを非表示/違反報告)
姫 - 今日から始まりましたねオチは私的に飛貴くんがいいです (2020年8月1日 0時) (レス) id: 1c8b5a85be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だいふくリンゴ☆ | 作成日時:2020年7月29日 19時