真夏の少年~19452020~

第3話＿脱･マザコン？真面目なんてもううんざりだ ページ27

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突然｢家出してきた｣なんて言って現れた道史に驚きを隠せない悟たち。
ていうか、見掛け倒し3人の秘密基地がもはや秘密ではなくなりかけている。


｢姐さんなんでそんなやつ連れてきたんすか！｣

｢いつでも来ていいって言った｣

｢それは言ったけど…………ここ秘密基地！｣

｢知らないよ。
まず普通の人は秘密基地の前に"あんな看板"立てないでしょ｣

｢……………………あ｣


それは、前に竜二が秘密基地の前に立てた看板のこと。三平がよく迷うので、目印になるようにと『秘密基地ココデス』とどでかく書いた看板を立てておいたのだ。


｢姐さんとこに泊めてやればいーじゃん！｣

｢ウチは無理。こいつが家出したってなったら多分、真っ先に私の家疑われるから｣

｢っ……うんざりなんだよ！｣


一方、道史は相当イライラが溜まっていたらしい。
Aの前ではつとめて笑顔で振る舞っていたが、その笑顔はほんの少しぎこちなかった。

学校で知られる優等生な道史とは打って変わった姿に、他のメンバーたちは驚いているようで。


｢これ、飲む…………？｣

｢要らねえからどけ！｣

｢わ！｣


道史を心配して飲み物を差し出そうとした和彦を思いっきり突き飛ばし、奥にある山田兄弟の部屋に勝手に乗り込む道史。
これにはAも｢あらら…｣と落胆した。


｢オイ棗、そいつなんでそんな怒ってんだよ｣

｢ストレスでしょ。母親からの｣

｢あーね。道史のかーちゃん、"毒母"だもんな｣

｢ドクハハ…………って何｣

｢子供を支配し、それが子供に害力を与える親のこと。｣

｢それで道史は家出したんか…………｣


道史の父親は医大の教授で家にあまり居ないことから、ずっと母親と2人だった。
幼なじみという名目でAが仲良くしていなければとっくに壊れていただろう。









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