第2話_その八 ページ22
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何故かそこから和彦と更に仲良く(?)なり、今日は秘密基地でアイスをご馳走してもらっていた。
「私の分までいいの?」
「いいの!棗さんは俺の友達だから!」
「和彦やめとけ、棗ってそーゆー友情ごっこみたいなの嫌いだろ?」
「ごっこじゃねえし!」
「ごっこじゃないよ。」
「「「「「は?」」」」」
明彦の言う通り、つまらない友情ごっこには興味のなさそうなAが、和彦は友達だと言った。
和彦はその言葉に目をキラキラさせて喜んだ。
一方のAは愛想なくアイスを頬張っている。顔には出さないが、和彦のように話の合うクラスメイトができて嬉しい、と心の中では思っているようだ。
「………………あのー、」
しばらくAと話していた和彦だったが、不意に三平に近づいた。
どうした?と言うように三平が顔を上げる。
「漫画が好きなんですか?」
「うん。俺、漫画家やったんよ」
「え!」
「マジ?」
突然の告白。これにはAも驚いて、いつもは伏せがちな睫毛を跳ね上げた。
「戦時中、隠れて同人誌に漫画書きよったら、それがバレてさ。戦争に出された。」
「「戦時中?」」
聞きなれないワードに耳を疑う。
Aと和彦が聞き返すと、見掛け倒しトリオは大慌てでその言葉を訂正しようとする。
が、
「信じられんかもしれんが、俺は戦時中の昭和から来た男なんよ」
「この暑さでおかしくなったんじゃねえの?」
「役に入り込むのはその辺にしといたら?」
「役じゃなく俺は本当に昭和の時代から来た。
…………まあ、簡単に信じろって言うのも無理な話かもしれんな。」
下らない嘘を…と三平に冷ややかな視線を送るA。三平はそんな視線に目もくれず、黙って頷いた。
(何者なのこの人…………?)
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ん - ナッちゃんってあだ名読者が読みやすいようにこのあだ名も変換できたほうがいいと思います (2020年10月3日 3時) (レス) id: 9a687a3599 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 真夏の少年待ってました!めっちゃキャラいいですね!!那須くんとの絡みが少ないものが多かったので嬉しいです! (2020年8月7日 2時) (レス) id: 8da083b7de (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!真夏の少年書いてくれて嬉しいです!!私も落ちはひだか君がいいです!! (2020年8月1日 19時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
ayu(プロフ) - はじめまして!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年8月1日 15時) (レス) id: 3c6e877405 (このIDを非表示/違反報告)
姫 - 今日から始まりましたねオチは私的に飛貴くんがいいです (2020年8月1日 0時) (レス) id: 1c8b5a85be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だいふくリンゴ☆ | 作成日時:2020年7月29日 19時