真夏の少年~19452020~

第2話＿その七 ページ21

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兄の明彦と弟の和彦、2人は『山田ツインズ』と呼ばれる通り、双子の兄弟だ。
兄の方は｢頭良い子｣という認識しかなかったが、弟の和彦はそうではない。


｢ねえねえ、第2クールで主題歌変わったの見た?!やばくない?!｣

｢ん、そうだね｣

｢お前らそんな仲良かったっけ?!｣


竜二が思わずと言わんばかりの勢いで食いついてくる。確かにその通りだろう。
漫画オタクの和彦と周りに興味のないクールなミステリアスガールA。この組み合わせはなかなか不思議で、兄の明彦でさえも驚いていた。


｢この前たまたま見かけちゃったんだよね。｣


それは遡ること2週間前。
昼休みに屋上でまったりしていた時の事だった。

アニメオタクでもなければ漫画もあまり読まないAだったが、親の影響で何気なく見ていたアニメの主題歌を聞いていた。


『〜♪』


何度もリピートしているとリズムに乗ってきて、気付かぬうちに鼻歌を歌っていた。

たまたまその曲を聞いて、たまたま口ずさんでいるところへ、たまたま現れたのが、和彦だ。


『あれ、棗さんだ………………！』


知る人ぞ知る漫画オタクの和彦。
Aが歌う曲のアニメなら漫画から読んでいるほど好きだったから、つい2度見をしてしまった。


『棗さん棗さん、それ何聞いてるの?!?!』

『え、どしたの急に』


そこから何故か意気投合し、顔を合わせたら一言二言会話を交わすくらいの仲になっていたという訳だ。


｢なんかすっげー偶然｣

｢不思議な事もあるもんだねぇ｣









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