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-(no.side)
がちゃり。
自部屋の扉を開ける。普段は静まり返っているはずのその空間には、すうすう、と規則正しい寝息が小さく響いていた。
「……ふ、」
起こさないようにそっとベッドを覗き込むと、固く瞼を閉ざして熟睡するAの姿がそこにあった。
自分の部屋の、自分のベッドで、自分の部屋着を着た彼女が無防備に眠っている。唯ならぬ優越感に浸りながら笑みを零した伍代は毛布を捲ると、彼女の隣に潜り込んだ。
「かわい……」
乾かしたての柔らかい髪、長いまつ毛、シュッとしているのによく見るとふくふくしたまるい頬。しかし思わず呟いた本音はAに届くことはなく、彼女は相変わらず無邪気な寝顔を晒し続けている。
さらりと流れて顔にかかった前髪をよけて、優しく抱きしめる。するとその身体は湯たんぽみたいにぽかぽか暖かくて、そういえば子供体温だっけか、と思い出した。
(……正直、一瞬だって離したくねえけど)
欲を言うなら、どこへ行くにも必ず連れて行って、ずっと傍にいてほしい。………でも、それとは真逆の感情が心の中で渦巻くのも事実で。少し前の難破の言葉が蘇る。
『俺さ、姉崎があんな爆笑してるとこ初めて見たわ』
会ったばかりの頃、彼女は常になにかに怯えていて、いつも弱々しい目で見上げてきていた。だけどそれから徐々に心を開き、色んな顔を見せてくれるようになった。
それは彼女が何よりも自分たちを信頼してくれている証で、そうやって少しづつ距離が縮まっていくのが嬉しかった。
ずっと傍に置いておきたい気持ちも山々だけど、これから色んな景色を見て、色んな表情を見せて欲しい、とも思っている。それならば、少し寂しくはあるけれど、彼女の赴くままに歩ませてやるのも悪くないと思うのだ。
「…………それでも俺は、ずっとお前が好きだぜ」
「ぐう………」
「……ま、聞いてねえか」
すやすやと眠るAには、どんな言葉も届かない。ふっと小さく笑った伍代は、もう一度彼女の身体を抱きしめて、緩やかに舞い込んでくる眠気に任せて目を閉じた。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
