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けろっとした顔で直樹くんに「お前今日は泊まってくだろ」と言われ、もはや拒否権なんて使えないまま承諾した。
そういう訳でわたしも難破くんと一緒に直樹くん家にお泊まり…のつもりだったんだけど。ここで大きな問題が浮上した。
『誰がどこで寝るか問題』である。
これまで難破くんはリビングのソファーを借りて寝てたらしく、心優しい難破くんは「泊まるなら今日は姉崎がソファー使えよ」と言ってくれた。でもわたしだって、その話をはいそうですかと受け取れるほど図太くはない。
「おっ、お気遣いなく！見苦しいならわたしは全然外でも寝ますんで！」
「心が痛えわヤメロ！そもそも俺はバイトでほとんどいねえんだから、気にせず寝とけばいいんだよ」
「いやいやいや、さすがに疲れた難破くんのこと床で寝かせる訳には…！」
「俺だって床で寝てるお前を横目にソファー使う訳にはいかねーよ」
どうしても相手を床で寝かせられないと、わたしたちは長時間に渡って揉めに揉めまして。わたしは元より自己主張は苦手な類だったけど、今回ばかりはできる限り主張して、どうにかしてわたしが床で寝るように説得した。
だけど難破くんは「俺はいいからお前がソファーで寝ろ」の一点張りで、対抗するわたしも「わたしは絶対に床か外で寝ます」という意見を貫き通した。その結果、いつまで経っても話がつかずに不毛な言い争いをズルズル続けているわけです。
「オイ難破、Aが言ってんだ。甘えとけ」
そして、そんな言い争いに終止符を打ったのは、直樹くんだった。
「え゛っ、超意外すぎる援軍なんだけど。つか姉崎が床で寝んのはいいのかよ」
「俺の部屋で寝ろよ」
「「わーお」」
……ハイ、前言撤回。直樹くんは終止符を打つんじゃなく爆弾を落としていきました。
これにはわたしと難破くんは思わず声を揃えて、ついさっきまでギャーギャー言ってたのが嘘のように、息ぴったりのタイミングで額を寄せあう。
「やべーなアイツ」
「やばいでしょ？」
「ならもうふたりとも床で寝るか」
「ですね」
「させるわけねーだろバカが」
ズビシッ、と難破くんの頭にチョップが、わたしのおでこにデコピンが炸裂する。
……そんなこんなで、直樹くんがこの言い争いを半ば強引に終わらせ、わたしは彼の“家に”…いや、彼の“部屋に”泊まることになったというわけなのです。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
