#エピローグ ページ30
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不良の巣窟、市松高校。
在学する全ての生徒がヤンキーで、授業だとか行事なんて概念はもはや存在しない。揉め事大好き、暇あらば喧嘩、抗争に明け暮れる毎日。物騒を極めに極めたような、最悪の高校。
ここにだけは絶対に通いたくないって思ってたのに。何ででしょうか。
最初はすれ違うだけだった、今では並んで歩くようになったこの廊下とも半年そこらでお別れだなんて思うと、なかなか感慨深い。
「難破、今日で停学明けるってな」
「ちゃんと学校行けますかね……怖くなって引きこもっちゃったり？」
「はっ、杞憂だろ」
「ですね」
いつものアップルティーとブラックコーヒーを啜りながら、顔を見合わせて笑う。高校入学を機にイメチェンして、その中で大事なものに出会えたのは、わたしも同じだ。
「うぉーい！あねごだいっ！」
その時、バタバタと忙しない足音がしたと思えば、廊下の向こうから楽しそうな大丸くんが顔を出した。
「略すな」
「なんですか？」
「来いよ！いいモン見れるぜ！」
朝っぱらからハイテンションで跳びはねながらはしゃぐ大丸くんに手を引かれ、校舎を出る。どうやらちょうど難破くんが登校してきたみたいで、門先でたくさんの生徒に囲まれ、歓迎されていた。
「オイ！あれが青春ってやつだよなぁオイ！」
大丸くんに抱きつかれた直樹くんが迷惑そうなしかめっ面を浮かべている。そんなのお構い無しな大丸くんに「姉御も！」と呼ばれ、直樹くんが何も言わずに片手を広げるもんだから。嬉しくなったわたしも、大丸くんとは反対側から思いっきり抱きついておいた。
「いいから……ほら深雪っ！」
そこで、女子生徒にぐいぐいと背中を押された藤田さんが、難破くんの前に引っ張り出された。少し戸惑いを見せた彼女も、吹っ切れた様子の難破くんを前に、にっこりと笑って。
「おかえり、難破くん」
「ただいま、藤田さん」
完全にふたりの世界が広がったその瞬間、ヒューッ！と彼らを冷やかす声があちこちで挙がる。ちょっと、ハッピーエンドが眩しすぎる。
気づけばみんな笑ってて。晴れやかな空の下、難破くんは力強く宣言してみせた。
「こっから！卒業まで全開バリバリでブッ込んでくんで夜露死苦！」
これは、お節介でお人好しなヤンキーたちに振り回されて、時に振り回して。笑いあり涙あり。世界一幸せな陰キャ(わたし)の青春の話だ。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
