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「こっから先は全開でブッ込んでくんで夜露死苦！！」
手始めにKY男に一撃。圧倒的な存在感を轟かせた猛さんは低い姿勢で威嚇しながらそう言い放った。
ビリビリと辺りに走るプレッシャー。流石はかつて関東を制覇しただけのことはあって、そこらのチンピラ風情じゃとても歯が立たないようだ。あっという間に取り巻き連中を片付けた猛さんは、ふらふらと起きあがるKY男に近づいていく。
「難破猛ィ！！待ってたぜェ……」
「誰だっけ？」
「……ッ！ふざけんじゃねえよ！！」
元はと言えば、猛さんが渋谷でグリとグラに売られた喧嘩を買ったことから始まった事態。漸くその仮を返せると、男はペッと血を吐いて叫ぶけれど、猛さんはきょとんと首を傾げて、殴りかかってくる男の下っ腹に強烈な一撃を叩き込んだ。
「覚えてねえよ。俺ァ馬鹿で単純だからよ」
どうやらあの時のビンタがかなり効いたみたい。聞き覚えのあるセリフに、ちらりと直樹くんを見上げると、彼は小さく笑っていた。
「黙ってろクズが……てめえらも消えろ！！」
ふらりとよろめく男に、トドメのアッパー。天を仰ぐようにして倒れ込んだ男は、そこからぴくりとも動くことはできずグロッキー。呆気にとられている取り巻きたちに向かって猛さんが怒鳴ると、動けないKY男を放置して蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。ふんっ、薄っぺらいクズの結託なんて所詮こんなもんよ。
そして、ヤンキーたちがいなくなると、その場は一気に静まり返って。唖然としてその後ろ姿を見つめていた難破くんは、おそるおそる口を開いた。
「兄ちゃん……なんで？」
「お前のお節介なツレが教えてくれたんだよ」
ふっと笑った猛さんの表情は、何も聞き入れない、受け入れないと頑固になっていた時とは違う。どこか柔らかい光の灯る瞳で、傷だらけの弟をじっと見つめた。
「剛……俺はよ、お前も俺らと同じだって勝手に決めつけてた。強さで存在を証明するっつーか……強けりゃ強いほどかっけえって思ってるって」
筋金入りのヤンキー一家に生まれた彼は、何があってもヤンキー魂を貫いて、聞くまでもなく不良の道を進むものだと、皆が決めつけていた。でも、そんな根底にある囁かな夢に、漸っと気づけたんだと猛さんは言う。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
