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泊まりに来た時、帰ろうとするわたしたちに「ツレの家で遠慮なんかするな」ときっぱり言ってくれた。吟子ちゃんの成績がどんどん伸びていることを話すと、まるで自分のことのように喜んでいた。弟妹の小さな出来事にも一喜一憂して、何よりも家族を大切にする人だ。
前は珍しく怒鳴り散らしてしまったけど、猛さんが家族思いのいい人だってことはよく知ってる。そして、難破くんはそんなお兄さんのことを誰より慕っていた。
「あいつ……難破はいいやつです」
猛さんが行ってしまったことで、何となく気まずい空気が流れる。そんな空気を破ったのは、2年前は率先して場を気まずくさせていた直樹くん。
「家族に嘘ついてること、ずっと悩んでました。この前は酷いこと言っちまったって」
「難破くん、皆さんのことすごく大事に想ってるから……だからその………ショックは大きいかもしれないけと…その気持ちはちゃんと分かっててあげてほしいっていうか、」
見切り発車で口を開いてしまったから、案の定どう締めていいか分からなくなって、思わず口篭る。
何遍も言うけど、難破くんは悪気があって家族を騙し続けてたわけじゃない。彼なりにたくさん考えて、悩んで、苦しんで、それでも自分の好きな道に進むことを選んだ。あらゆるものを差し置いて、いつかこうなることを覚悟でその選択を手にした難破くんの気持ちを、どうかわかって欲しい。それがわたしたちの、心の底からの願いだ。
……なんてこといちいち言わなくたって、彼らなら分かってくれるだろう。今は聞く耳を持たない猛さんも、いつかきっと……。
「……すんません、俺らがどうこう言うこっちゃないっすね」
「伍代、姉崎……迷惑かけるなァ。これに懲りずによ、ずっとあのバカのツレでいてやってくれ。頼む」
「……いいっすよ」
「あ、頭なんて下げないでください……！」
勝さんとナオミさんがふたり揃って深々頭を下げるので、わたしは慌てて首を振った。難破くんがいなかったら今のわたしはなかったし、寧ろこっちから頭下げて仲良くしてもらいたいくらいなのに。
それでも確かなふたりの温かさに、ついほっこりしていると。
「オイ伍代、姉崎」
部屋へ上がったはずの猛さんが、階段の上から姿を現した。正気のない瞳を刃物のように危なく光らせた彼は、そんな瞳でわたしたちを睨め付ける。
「てめえら他人ん家の揉め事がそんなに面白えか」
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
