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「よし伍代、お前のも見してみろ」
「…………あー、やめたやめた。絵とかかったりいわ」
「？」
完全に全員が披露する流れになって、くるりと直樹くんに向き直ると。彼は面倒くさそうにスケッチブックを伏せて「ゲームでもすっかな」と言ってどっか行ってしまった。
あの感じからして見せたくないんだろうけど、ならスケッチブックごと持ってかなくちゃ。置きっぱだと勝手に見ちゃいますよ、大丸くんが。
「んー？どれどれ？」
「あ、てめっ！」
ほら見ろ。大丸くんはすぐさまスケッチブックに手を伸ばし、直樹くんが慌てて取り返そうとする時には遅かった。
「ひっでえ！なんだよこれオイ！」
ぶはは！と爆笑するもんだから、わたしも興味本位で大丸くんの手元のスケッチブックを覗き見た。そこには、何だかゲームに出てくるモブエイリアンみたいな、首の長いふわふわした生き物が描かれていて。話の流れ的に松だって分かりはしたものの、あまりの破壊力に思わず吹き出しそうになった。
「オイ見ろよ難破！キモすぎだろ！」
「ふ、ふふっ…………伍代画伯」
「Aお前、小声で言ってんじゃねえ丸聞こえなんだよ！」
「まあまあそう怒んないでくださいよ画伯、姉御ビビっちゃいますよ！」
「きゃー」
「てめえら息ぴったりかよ……！」
「ふふ……あははっ！」
「笑いすぎだろ！」
何故かドツボにハマってしまって。必死で声を押し殺しながら顔を覆って震えていると、悪ふざけモードの大丸くんが乗っかってくるもんだから堪らない。思いっきり吹き出すと、堰を切ったように笑みが溢れて、久しぶりにお腹抱えて爆笑した。
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月26日 11時
