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どれだけ学校で真面目のフリして過ごそうが、難破くんの異常なまでの強さに変わりはない。
あっという間に取り巻き全員を倒した難破くんは、余裕の表情を浮かべて安藤に向き直る。
「ほら終わったぞ。降りてこいよ。ちゃっちゃとやろうぜ、早く帰りてえんだ」
「このガキゃ……！」
眉を吊り上げて激昂した安藤が殴り掛かる。難破くんはそれを易々と避けて反撃するけど、余裕こいてられる相手じゃない。
難破くんは強い。……その事実に間違いない。でも安藤だって、難破くんと同じレベルか、もしかしたらそれ以上の強さを持っている。油断は禁物だ。
「油断すんなよ難破！そいつガチで強えぞ！！」
叫んだ大丸くんの忠告を真剣に聞き入れてるのか入れてないのかは知らないけども。難破くんはわたしたちが寄って掛かっても傷ひとつ負わせられなかった安藤の顔面に、それは華麗な膝蹴りを決めた。
「…………うらぁあああ！！」
しかし安藤とて顔面に一発決められたくらいでは倒れない。ふらついた衝撃を上手く緩和してすぐさま建て直すと、難破くんの両肩を掴んで強烈な頭突きを見舞った。……なんか、ヤンキーのタイマンっていうより、猛獣二匹の殺し合いって言われた方がしっくりくる気がする。
「大丸泣かせやがって！！」
「ゆとりが！！」
両者ほぼ互角。実力に大差はないから、ここからはお互いに削りあって消耗戦…かと思ったけど、どうやら違かったみたいだ。
「極道ナメとったらなぁ、ぶち殺すぞ！！」
顔面に叩き込まれた右ストレート。吹き飛ばされた難破くんを、安藤は容赦なく蹴り飛ばす。金髪をかきあげて顕になった額から、つうと赤い血が流れた。
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月26日 11時
