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翌日、昼。
「……ほんとに来ちまったな」
わたしたちは、広島にいます。
…………もっかい言ったほうがいいかな。
わたしたちは、広島にいます。
「大ちゃん、私ここまでしてもらうのは……」
「気にすんなって。俺らは暇なんだから。なっ！」
「まあ死ぬほど持て余してはいますけども」
「それに広島は初めてだしよ、観光気分だよ」
申し訳なさそうに眉を下げる水野さんに、ニカッと笑いかける大丸くん。そんなふたりのやり取りを眺めて、ほうとため息をひとつ。
なんでこうなってしまったのか。時は昨日の話に遡る。
何故かわたしの友達はお人好しばっかりだから。それは大丸くんも例外ではなく、水野さんの話を聞くや否や「俺がそのガキに話をつけてやる」と高らかに宣言したのだ。
で、そこからの流れは簡単だ。
�‖膣櫃�んに広島行くお金はない。
��大丸くん「お金貸してちょーだい！」(土下座)
�Ｄ昭�くん「お前俺をATMだと勘違いしてんだろ？！」(とか言いつつ行く)
�た緻遒気鵝峪笋里�金使って！私も行く！」(女神)
�イ錣燭掘屬覆蕕錣燭靴盥圓�しかないですね」(不貞腐れ)
こんだけ。
「…………お前までついてきて大丈夫なのかよ」
並んで歩いていた直樹くんが、心配そうにわたしを見下ろす。
直樹くんや大丸くんだけじゃない。何やかんや言って、困ってる人を放っておけないのはわたしも同じだ。あんなえげつない話を聞いて、ひとり黙ってお留守番なんてしてられない。足を引っ張るリスクも考えたけど、こんな時のために合気道を始めたんだ。活かせる場があるなら活かさないと。
「大丈夫です。喧嘩はできないけど自衛のすべは持ち合わせてますし。いざって時はわたしが水野さんの盾になります」
「た、盾っ？！Aちゃん、さすがにそこまでは……！」
「大丈夫。いざって時は、です。護身具も持ち歩いてますし」
「護身具って？」
「広辞苑」
「…………はぁ」
「なんでため息？」
ぐっと親指を立てると、直樹くんに何故か呆れたようにため息を吐かれて。頭の上にハテナを浮かべる。いや、逆に考えてわたしなんかが上等な護身具なんて持ってると思ってたんですか？
それに広辞苑ナメてちゃ痛い目みますよ。この前うっかり足の上に落とした時、2時間くらい蹲って泣きましたもん。エグめの色した痣とかできたし。何気ない日常に潜む痛みがいちばん怖いんですよ。これマジで。
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リュウ - 毎日更新ありがとうございます。毎日チェックしてます！これからも更新お願いします！ (11月28日 2時) (
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月26日 11時
