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…………ボウリングどころじゃなくなってしまった。
明日の準備がある難破くんは家に返し、わたしと直樹くんは、水野さんと話がしたいという大丸くんに付き添っている。眠くて眠くて仕方なかったけど、必死で足を踏ん張った。
「お前らはもう帰っていいぜ。姉御も眠いだろ」
「俺らは難破みてえに修学旅行とかねえし」
「ここにきてみすみす帰るとかできないですよ」
彼らの間に何があったのか、話は聞いてしまった。それなのに眠いから帰りますなんて言えるほどわたしは能天気じゃない。どうやら水野さんの方もワケありみたいだし、ほっとけない。
「またね！明日もお仕事頑張ってね！」
「うん！また明日ね！」
「バイバイ！ありがと〜！」
そうこうしていると、お店からお客さんを見送る水野さんが姿を現した。さっきの私服もかなり派手だったけど、もっと派手な真っ赤なドレスに身を包んだ水野さんは、大丸くんが言っていた、穏やかで可愛い女の子とはとてもかけ離れていて。一体なにが彼女をあんなにしてしまったんだと、心が痛くなった。
高校生の女の子が自分を売ってお金を稼ぐだなんて、よっぽどの事があったとしか思えない。
その気持ちは大丸くんも同じだったようで。緊迫した面持ちの彼は、営業スマイルを貼り付けてお客さんに手を振る水野さんに歩み寄っていく。
「水野、ちょっと話そうや」
「まだいたの？」とでも言いたげに。目をまるくさせた水野さんは、しばらく考えて。何を言っても無駄だと察したのか、小さく頷いた。
そんな水野さんを連れ、深夜でも営業している喫茶店へと場所をうつすことにした。露出度の高いドレスを着た水野さんには大丸くんが上着を貸してあげて、彼らが向き合って座る傍のテーブルに、わたしと直樹くんのふたりで座る。
なんとか起きようと思っていたけど、そろそろ眠気はピークを迎えていた。
直樹くんが何も言わずに自分の肩を指すので。わたしは眠気には抗えないと、彼の肩に頭を預け、目を閉じて、遠い意識の中でふたりの話を聞いていた。
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リュウ - 毎日更新ありがとうございます。毎日チェックしてます！これからも更新お願いします！ (11月28日 2時) (
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月26日 11時
