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「あの……お言葉なんですけど」
俯いたまま唇を噛む難破くんに、おそるおそる声をかけた。
「難破くんは悪くないです」
「…………そんなワケねえだろ。現に俺のせいで伍代がやられて、お前にまで迷惑かけてんだから」
「……少なくともわたしは、巻き込まれたなんて思ってません」
確かに、難破くんと知り合ってなかったらこんなことになってなかったとは思う。だけど、難破くんと知り合ったからこそ、感じられた喜びや楽しみがある。それはきっと伍代くんも同じだろう。
「難破くんが今、伍代くんのことを心配に思うように……伍代くんも難破くんをほっとけなかったんです。自分が傷つくことを厭わずに難破くんを助ける選択をしたのもそれが理由だと思います」
それにわたしは、ふたりの立場が逆だったとしても、難破くんは伍代くんを助けるために同じことをしたと思う。これはお互いに自分が信じる正義のために動いた結果だ。
自分のせいだと思ってしまうのも分かる。ボロボロになっていく友達を前にして絶望する気持ちも。だけど、誰かが悪いとか、そういう話をするならば、悪いのは間違いなくあのヤンキーたちだ。
口下手で人と話すのは苦手なわたしでも、これだけは伝えておこうと思った。上手く話せているか分からないけど、ただ今は、思いが口から滝のように流れていった。
「伍代くんはそれが正しいと思ったから、迷わなかった。その選択も、難破くんがあそこで不良相手に何もしなかったのも、全部間違ってなんかありません。だから、誰も責めちゃダメです」
自分も含めて、ね。最後にそう添えると、難破くんがひゅっと息を飲む声。そして、伍代くんの瞼がぴくりと動いた。
「……たまには良いこと言うじゃねえか」
「！伍代」
「気にすんな、唐揚げの礼だ」
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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました！ (11月3日 2時) (
レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月1日 15時
