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「腹減ったぁ〜！」
「？！」
伍代くんの爆弾発言にわたしがトドメを刺すことになってしまった。おかげで妙な空気になったリビングに、ダンダンと足音を鳴らしながら階段を降りてきたのは、わたしたちより1、2歳くらい年下の女の子。難破くんの妹さんらしい。
ていうかさっきからほんと忙しないなこの家。
「吟子、俺のツレの伍代と姉崎」
「おっす！あたし吟…………ハッ！激マブ！！」
「え？」
紹介された難破妹…改め、吟子ちゃん。彼女は明るく元気に挨拶をしてくれたんだけど、何故かわたしの顔を見るなり、大きな目を更に見開いた。え、なに。
「何この人、ちょ〜〜カッコイイ！！お兄ちゃんの彼女？！」
「違ぇよ、ただの同高のツレだ」
「へえ、市松ってこんなキレーな人いるんだぁ……」
「喧嘩もクソ強えぞ」
「えっ」
「すっげええ！ねえ姉崎さん…いや、姉さん！！あたしのこと弟子にして！」
「ね、？！？！」
ちょっと難破くん、ホラ吹くのはやめてもろて。一体何がしたいのか、吟子ちゃんの興奮を煽るような嘘を言った難破くんはケラケラ笑いながらお箸を並べている。その意図が読めなくて、わたしはただただ困惑した。
「姉さんの隣すわろ〜」とご機嫌な吟子ちゃんが、にこにこ笑って見つめてくる。動物は別として、年下の子にこんなに懐かれたのは初めてで、でもなんだか嬉しくて、不器用な笑みを浮かべた。
「吟子、門限のことなんだが」
「今どき7時なんてありえない！」
と思ったら、反対どなりに座る難波父と言い争いを始めた。
なんかあれだね、如何にも過保護なお父さんと思春期の娘って感じ。中学生の頃はわたしもとことん父親に反抗してたなぁ。ほら、わたしって典型的な内弁慶だから。
「姉さんも伍代もそう思わない？」
ぐりんっ、と残像が見えそうなほどの勢いで振り向く吟子ちゃん。
たった今初めて会ったのにめちゃくちゃグイグイくるし、わたしのこと『姉さん』って認識しちゃってるし、年上の伍代くんを呼び捨てだし。同い年のわたしでも敬語なのに。
ていうか、流石はヤンキー家族。吟子ちゃんに限らずみんな我が強い。
「あ、うちは門限ないので……」
「俺も。何時に帰ろうが誰もいねえし」
「「「「…………」」」」
完全に吟子ちゃんの勢いに押されるまま、つい思ったことを零してしまう。続けざまに伍代くんも爆弾を落としたおかげで、また空気が凍ったのは言うまでもない。
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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました！ (11月3日 2時) (
レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月1日 15時
