帰らせて下さい、切実に。【ナンバMG5】 (ページ15)

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#高校デビュー×逆高校デビューページ15

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陰キャ故の、頼み事を断れない性格。これが祟って、何故かわたしは伍代くんと行動を共にすることになった。でもまぁ、彼と一緒にいると安心するというか、流石のトウコさんアカリさんも声をかけてこなくなった。

そして特に目的がある訳でもなく、高い高架の上でぼーっとしながらアップルティーを飲んでいた。伍代くんはその横で、缶コーヒーなんて飲んじゃってる。しかもブラック。今どきのイケてる男の子はブラック飲めるんだって。かっこよ。

「おう、伍代」

そこへ、ひとり分の足跡がして、金髪のヤンキーが片手を挙げてやってきた。…いや、今は真面目くんの姿してるけど。そして彼はわたしを見るなり、目をきらきらさせて人懐こく挨拶してくれた。

「お前、昨日の！」

「どうも…」

「俺、難破剛。松が世話んなったな！」

「はじめまして、姉崎Aです」

「姉崎か！」

差し出された手をおずおずと握り返すと、「よろしくな！」とその手をブンブン振られた。金髪に特攻服のヤンキーじゃなくて、ストレートヘアの真面目くんだって思うとまだちょっと話しやすいかも。ずっとこの格好でいてくんないかな。

「そういや姉崎にこの格好見せんの初めてだっけ…？」

「心配すんな。コイツ全部知ってっから」

「そうなのか？」

「あの、誰かにバラすとか絶対しないんで……！もしバレたらわたしのことバラしてくれて結構なんで……！！」

「いやそこまでしねえよ」

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