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「おう伍代、借りは返すぜ」
マスクは大量生産してナオミさんと吟子ちゃんで文字を書いているらしく、色んなバリエーションがあるんだと泊まった時に見せてもらったのを思い出す。
変態仮面みたいな締まらない格好に見えるけど、その登場は、心細かったところに光が刺したみたいで。じんわりと涙が浮かんだ。
「いつまでも人の車の上に乗ってんじゃねえぞコラ！」
武器を片手に大暴れしてた敵さんだったけど、難破くんの登場であっという間に形勢逆転。難破くんは持ち前の強さとタフネスで、ヤクザたちを圧倒した。
「てめえ……フザけたマスクしやがって！！」
……まあ、それは否めないけど。
わたしと島崎くんを囲んでいた不良たちは、難破くんに恐れを成したのか、真宮もヤクザも放ったらかしで一目散に逃げ出した。
「コイツはやべえ……！」
難破くんがスキンヘッドのヤクザをフルボッコにしている間に、もうひとりが車に乗り込もうと駆け出した。どいつもこいつも、自分が危なくなったら身内なんてお構いなしに逃げ出すんだから、格好悪いったらありゃしない。
わたしは、痛みでまともに動かない身体を気合いで引き摺って、近くにあった鉄筋に足を伸ばした。
「ん゛ッ！」
最後の力を振り絞って鉄筋を蹴り飛ばすと、並んでいた鉄筋や機材がドミノ倒しの要領で車の上に崩れ落ちる。ベコベコになる愛車を前に、ヤクザは絶望の叫び声をあげた。
生まれて初めてこのリーチの長さを誇りに思った瞬間だった。
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛俺の車ァ！！！」
「……よォ、逃げ場はなくなったな」
嘆く男の背後から、カツカツ、と近寄る足音。それに気づき、振り向いた時には遅い。問答無用で振り上げられた拳が顔面に沈んで、とうとう意識を失ったヤクザの男は、崩れゆく愛車の前で大の字に転がった。
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
