#男同士のインネン、的な ページ1
気づけば辺りは暗くなって、街灯がぴかぴか光って地面を照らしている。
伍代くんのバイクで家まで送ってもらう道中、自販機の前で彼と駄弁っていたわたしは、ひゅ〜、と頭上に何かが打ち上がるような音がして、夜空を見上げた。
─────ドンッ……
「……わ、花火」
ピンク、黄色、青、緑……色んな色の火の花が夜空に咲いては消えていく。花火は毎年上がってるけど、こうやって外で見るなんてなかったからなぁ。
夜空をきらきら彩る花火に、思わず目を奪われた。
アカリさんから電話かかってきた時は絶望したけど、そんな時に助けてくれるのはいつも伍代くん。つい殻にこもりがちなわたしを、無理矢理にでも引っ張り出してくれる。そのおかげで、殻の中からじゃ見えない景色がたくさん見えた。
1ヶ月ある夏休みのうちたった数時間の出来事だけど、今年の夏は楽しかったと堂々と言える。そして、これからもずっと仲良しで、色んな景色を見てみたい、なんてらしくないことも思った。
「こんな見えるもんなんですね」
「……だな」
振り向いて言うと、ふっと笑った伍代くんの手元にはいつものブラックコーヒー。相変わらず彼は多くを語らない。
でも、なんだかその笑顔が少し翳っていることに、わたしは気がついた。
「なあ」
「？」
「2学期からはさ、あんま俺といない方がいい」
「…………はい？」
と思ったら、伍代くんはそんなことを言い出した。
「えっ……と…何でですか？」
「色々あんだよ」
「いろいろ、ですか」
「おう。でも誰かに絡まれたり嫌な思いしたら遠慮せず呼べよ」
僅かな期待を膨らませた直後だったからか、わたしの気持ちはひどく沈んでしまった。なんか、ほんの少し寂しいような。
でも伍代くんにもわたしに言えない事情があるんだろうし、そこまで首を突っ込むのは違うと思ったから。だからわたしは寂しい気持ちに蓋をして、「わかりました」と頷いた。
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
