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ふたりの間にどんな物語があったかは知らない。それでも分かるのは、あの真宮とかいう人は何故か伍代くんに絶大な信頼を置いていること。そしてあの大きな傷跡のように、彼に対する因縁が深く心に刻みつけられていること。
「……あの時のケリ付けようぜ」
わたしが火傷跡にとらわれ、未だに傷をつけた彼女たちを恐れるのと同じだ。だけど真宮が伍代くんに抱いているのは恐れなんてものじゃない。伍代くんを見つめるその真っ黒の瞳の奥に、果てしない怨嗟が見えた。
ぐるりと真宮が肩を回す。……ああ、始まってしまうんだ。また優しい彼が傷ついてしまう。
「兄貴……！」
間もなく殴り合いが始まり、島崎くんが声を震わせた。わたしは見てられなくて、ぎゅっと目を瞑った。閉じた瞼の間から、滲み出した涙が溢れる。
「年少帰りは伊達じゃねえんだよ」
「お前……頭どうかしちまったのか」
な ん か 聞 こ え た 。
年少って、少年院のことだよね。因縁がある割には今まで大人しくしてたのは何でだろうって思ったけど、そういうことか。ヤバイヤバイヤバイ。
伍代くんとタメで話してるってことは、多分あの人は同い年ってことだ。この歳で少年院ってどうなってんの？伊達じゃないどころじゃないんですけど。今すぐ帰りたい。っていうか帰りましょうよ皆で。
「真宮、何があった？どうして変わっちまったんだよ」
「変わった……？バァカ、これが本性だよ」
ぺっと血を吐く伍代くんに、真宮の悪魔みたいな怒鳴り声が浴びせられる。
そして真宮は、衝撃の一言を口にした。
「……俺は人殺しのガキだぞ！！」
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
