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「う…………」
鈍い音と呻き声で目が覚めた。身体を起こそうとすると、鈍器で殴られたみたいな感覚が頭を駆け巡って、あまりの痛みに地面に逆戻りしてしまう。そして妙に動きづらいと思ったら、両腕を後ろで縛られていた。
「女にまで手ェ出すような卑怯モン共が！先に俺をやれよ！！」
「！」
朦朧とする意識の中で、そんな叫び声が聞こえて、そこでやっと、すぐそばに人がいると気づいた。
わたしを庇うようにして叫ぶのは、金髪リーゼントに学ラン姿の男の子。特攻服ヤンキーの舎弟を名乗る、白百合高校に通う難破くんのお友達だ。彼もかつていじめられていたらしく、高校では舐められないようにヤンキーになったとか言っていて、その境遇と、似た苗字から仲良くなったんだっけ。
確か、名前は。
「島崎くん……？」
「！姉崎、」
「おー、やっとお目覚めかよ」
「や、やめっ…………あ゛、ッ！」
「姉崎！」
わたしより何倍も大きな不良の人達に引き摺り起こされたと思うと、ずん、と、重たい何かが下腹部に沈む。視界にチカチカと光が弾けて、その場に崩れ落ちた。
今までトウコさんたちにイジめられて、何度も何度も殴られてきたけど、そんなの比にならないくらい痛い。これが男女の力の差ですか。帰りたい。
無意識のうちにぽろぽろと涙が零れて、身体を丸めて蹲った。
「ナリの割には大したことねえな、伍代は何のためにこんな女連れ回してんだよ」
「ただのカモだろ」
「っは、性格わりー」
視界が涙でぐずぐずになったおかげで、まともに周りが見えない。どれだけ空気を吸っても酸素が入ってこない。今にも意識が飛びそうな中、不良の声が頭に響いた。
………………カモ、なんて。
『どうせバカみてえに笑ってねーと殴られんだろ。心配しなくても俺はそんな趣味ねえよ。嫌なら嫌って言えばいい』
殴られた頬に手を添えて、真剣な顔で言ってくれた伍代くん。
わたしのことを「サイフちゃん♡」なんて呼ぶ悪女たちから、彼はいつも守ってくれる。
「ち、ちが…………」
「あ？聞こえねえよ」
全身がズキズキ痛んで、指一本動かすことすらままならない。怖くて怖くて仕方ないけど、あんなに優しい伍代くんを、悪魔のようなあの人たちと一緒にされたことに腹が立った。
「伍代くんはそんなことしない……あの人たちや貴方たちみたいな汚い真似、絶対しない…！」
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はるちよ - とても面白くて毎日読み返しています！リクエスト良いですか？！今の五代くんの話が終わったら寂しくなってしまうので、もしまめこさん さえよえれば、五代くんの話を他にも書いて欲しいです。 (11月10日 18時) (
レス) id: b6e7a94813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月3日 12時
