まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ10)

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105:モテたくない高校生いるなら出てきてページ10

しれっと言ってのけた光の頭を、カゲさんがぺしっと叩く。その横でユズルがでっかいため息を吐いてる。

へえ、ユズルはチカちゃんが好きなのね。

「同級生だっけ？」

「…………うん」

「ユズルね、玉狛第二が遠征行けるようにランク戦で手抜こうとしたの」

「そんな好きなの？！」

どこか恥ずかしそうに俯いてコーラを啜るユズル。可愛いやつめ、なんて思ってたら、補足だけど、とゾエさんがひそひそ教えてくれて。わたしは目をまるくさせた。

だっていつもクールで大人なユズルが女の子に夢中になるとこなんて想像つかないんだもん。確かにチカちゃんはすごくかわいいけど、あのユズルにここまで言わせるなんてよっぽどだよ。

「…………もう、俺の話はいいから」

「いや聞きたい。聞かせて？」

「目ぇガチじゃん。こわ」

「やめてやれよ」

身を乗り出してユズルに詰め寄ると、ぐいと肩を引かれて目を塞がれた。当真さん曰く、この時のわたしは控えめに言って子供泣くぐらいの目力だったらしい。それは申し訳ないけどね、ちいさい子たちの青い恋愛模様を聞いて若さを摂取したいんだもん。

「いいなぁ、わたしも恋愛したいな」

「何だそりゃ」

「だってこれでも現役JKですもん。叶う叶わないは置いといて、憧れはありますよ」

恋バナふっかけられるのは苦手だし、一向に相手はできそうにないって開き直ってるけど。そんな話題に全く興味ないって言ったら大嘘になる。そもそも下心こそがわたしの原点だ。

「ていうかそもそも、わたしモテるためにボーダー入ったのに未だにモテ期こないのおかしくない？」

「それは初耳だな」

「下心しかねーじゃんウケる」

「仕方ないでしょ。中学ん時、ボーダーだからって出水がモテてて羨ましくて」

ふん。面食いの友達が目にハート浮かべて出水を眺めてて思ったのだよ。わたしも男子からこんな目で見られてみたいと。そしてボーダー入って玉の輿に乗りたい、とね。