104:あんたよく口軽いって言われない？ ページ9
大好きで尊敬してた師匠がいきなり失踪なんて笑えないからね。
もしわたしが、風間さんがネイバーフッドに消えた、なんて言われたらひとりでだって乗り込みに行くし。まぁこれでも17だし、ハプニング起きてもある程度の心の整理はできるけど。ユズルみたいな小さい子にとっては、身近な人をいきなり失うショックは大きいはずだ。
だから、本当だったらそこに鳩原先輩がいたはずの卒業トークが嫌だったのかも。
「まぁ……全部忘れろとは言わないけど、ちょっとは肩の荷降ろしてもいーんじゃねえの？ヒカリさんがいつでも話聞いてやっから」
「そうだよ。高校入ったら勉強頑張ってボーダーも頑張ってクソ可愛い彼女つくって、帰ってきた先輩に紹介してやんなよ」
「励まし方が随分と独特だな」
「コイツなりに気遣った結果だろ」
「カゲ、お口悪い」
ぽん、と肩に手を置いてやると、長い前髪の隙間から、伏し目がちな瞳がこっちを向いた。ほらほら、最高に可愛い顔してるじゃないのよ。
だけどユズルは、わたしたちがにこにこ笑って囲むもんだからびっくりしちゃったらしい。驚いたようにびくっと肩が飛び跳ねたかと思うと、ふんっとそのまま横を向いてしまった。おい、可愛い顔が見えませんが。
「そういやユズルって彼女いるの？」
「いないけど」
「好きな子は？」
「…………いない」
「嘘つけ」
話題をそらすべく、向こうむいちゃったユズルの顔を掴んでぐいぐいこっちを向かせようとするけど、その頭はぜんっぜん動かない。なんだこれ、首の筋肉強すぎんだろうがよ。
だけど、好きな子聞いたあとの謎の間に気づかないほどわたしはバカじゃない。そして頑なに口を開こうとしないユズルの口から無理やり聞き出そうとするのが愚かってことも分かってる。
なのでこういう時は第三者を頼るべし。
「カゲさん、」
「俺の口からは言わねえよ」
「玉狛のかわい子ちゃんだよな？ユズル」
「ヒカリてめぇ」
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ペネロッペ(プロフ) - こんばんは！遅くなりましたが続編おめでとうございます！この作品大好きです、これからも応援してます！ (10月16日 21時) (
レス) @page7 id: 2422f6c645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年10月9日 22時
