まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ28)

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123:わたしらにはこれでいいんだと思うページ28

何が起きたか時間差で理解して、とうとう頭はオーバーヒート。へにょ、と脱力するや否や、椅子を蹴っ飛ばした米屋に抱きすくめられて、わしゃわしゃと頭を撫でられる。

「うっしゃ、よく言ったAちゃん！」

「バカ、アホが伝染る！」

「もう手遅れな」

「うるせっ」

……告白成功2秒後の空気じゃまるでない。だけどやっぱ、しんみりしたのは合わないのかもね。今までの悩みが嘘みたいに、心のモヤモヤがスカッと全部飛んでって、際限なく撫でくりまわしてくる米屋の手を、いつもみたく強めにはたいた。

「じゃあもう付き合ってくれるってことでいーんだよな」

「いいよそれで」

「おーし、自慢しに行こーぜ」

「小学生か」

まずは手始めに辻ちゃんだな、キューピットだし。なんてしれっと手を引かれて歩き出す。バカお前、付き合いたてのアベックの画なんて見せたら辻ちゃん死ぬど。それにわたしにとってのキューピットは羽矢さんなんだから、カゲノタテなんちゃらになりたいって言ってたもん。……でも報告したら違う意味で死にそうだな、あの人も。

「もっかい聞くけどこの後ヒマ？」

「おん」

「じゃあどっか行こーぜ、ふたりで」

「えー、しゃあないなぁ。マックで」

「それしか言わねえじゃん」

「放課後マックは至福以外の何物でもないっしょ」

「太んぞ？」

「やっぱランク戦にしない？」

仮にも彼女に対する口の利き方かそれは。ジャキ、とトリガー構える。冗談だって、とヘラヘラ笑った米屋にぺしっと肩をはたかれた。立場は変われど、わたしらの間に流れる空気はいつまでも変わらないっぽい。

関係性が変わったら友達の時のノリでいられなくなるんじゃないかって不安もあったけど、全部ぜんぶ杞憂だったみたい。

ベタベタしすぎるのも性にあわんし。こういうのが合ってるんだろうね。きっと。