まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ23)

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118:推し×推しで尊くないワケなくない？ページ23

わたしは基本的にいつも強気でいるけど……っていうか、だからこそ、こういう時に弱々しく誰かに頼るっていうのが難しくて。柄にもなく困っちゃって気持ち悪い、なんて思いながら話していると、羽矢さんはにっこり笑う。

「大丈夫よAちゃん。分からないことに直面したら誰だって困るものだから。分かるまでたくさん悩めばいいの」

「羽矢さん……」

「私はいつだってAちゃんを応援してるわ。そして願わくば私がふたりのキューピットに…推しカプ爆誕という奇跡的瞬間の影の立役者になりたい」

「ん？」

すごい。めっちゃ爽やかに下心出てきた。
それでも羽矢さんは何事もなかったように話を続ける。

「だったら他の男子……例えば、出水くんに同じこと言われたらどうするかって考えてみたらどう？それこそさっき言ってた『米屋くんは特別か』って答えに繋がるんじゃない？」

「確かに……！でも、言われたことないから想像つかないな」

「まぁ普通そうよね……んー、なんかそれっぽいことも言われたことない？」

「そういや前にわたしのためなら死ねるって」

「ちょっと待ってしれっとヤバい尊いの過剰摂取で私が死ぬ」

確か遠征行った時だっけか。

その時のことを思い出しながら言うと、その一言にトドメを刺されたらしい羽矢さんはその場にぐしゃあっと崩れ落ちた。この人たまにバグるんだよなぁ。

「もうさぁ……Aちゃんみたいなサバサバしてるタイプの子が恋に悩んで一生懸命考えてるってだけで尊いのに周りを取り巻いてる環境が神すぎるんだよ…米屋くん出水くんは王道だけど基本みんなと仲良いし多方面にフラグ立ちまくってるもんだから妄想が捗る捗る」

「？？？」

言ってることの半分も理解できなくて首を傾げる。でもゾーン入った羽矢さんの言うことは分かんなくていいって知ってるから、へーとかほーとか適当に返しておいた。

基本的には頼もしくてクールなお姉さんタイプだけど、根っこのところはバチバチのオタクの方だからね羽矢さんは。一歩踏み外したら頼りになるお姉さんの面影なんてなくなっちゃうって前ののさんが言ってた。