まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ15)

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110:小学生あるある、好きな子の苗字で呼ぶページ15

なんとびっくり。わたしと友達との会話を聞いてたバカふたりがそれぞれ長ジャーの上と下貸してくれました。本人たち曰く「バスケしてたら暑くなるからいーよ。今日昼メシ奢りな」らしい。まぁ助かったしポテトとジュースもつけてやるよって約束して、さぁ持久走走るぞって伸びをした。

……んだけど。

「米屋さん今日も1位？」

「米屋さん何分台目指すの？」

ぶかぶかの袖まくってたら、上のジャージを米屋から借りたからか、胸元の名前の刺繍を見た女子がニヤニヤ笑ってわたしを取り囲む。こういう時だけ派閥とか関係なく仲良しだよね女子って。とりあえず全員帰ろうか。

「でも見て、ズボン出水だから！」

「いやでも目立つの米屋じゃん」

「ねえ米屋さん？」

米屋のジャージがでかいからか、ズボンの腰元に刺繍された『出水』の字が隠れちゃって。わたしを見た女子たちは揃いも揃ってわたしを“米屋さん”と呼んだ。いつもは“A”のくせに。

まぁいつものわたしなら気にしないところなんだけど、昨日のこともあって。変なこと考えちゃいそうで、ブンブン頭を振った。いきなりの奇行に集まっていた女子たちはみんなして「？？？」で。

そうこうしてるうちに、体育のイケメン教師(自称)が完全防寒装備で現れた。そして毎度の如く、お前も脱げと女子からブーイングが飛ぶ。

「仕方ねーじゃんオレ持久走やんないから寒いんだもーん……あ？オイ、成海そのジャージどうした」

「あー、結婚しました」

「はいはい忘れもんな。減点」

「コノヤロウ」

「教師に向かってコノヤロウだと……？！」

体育大学出て教員免許取り立ての、今年新任の体育教師。端正な顔とノリのいい性格から男女共に好かれてる。まぁわたしは全くタイプじゃないんだけど、ね。