まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ13)

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108:本日のなるみさんはお困りモードページ13

まあ座れよ、とカゲさんに言われて、すとんと椅子に逆戻り。そして、しばらく考えてみる。いや、それがほんとだとしたら、なかなかヤバい。

「や、明日からどうやって顔合わせればいいワケ？会ったらなんか変に意識しそうで怖いんだけどどうしよう」

「なははっ。いいぞいいぞ意識しろ、しまくれ」

「何がしたいのヒカリ」

「いや普通に。これからずっとクラス一緒だしボーダーでも一緒だし。マラソン大会ん時も出水と3人で順位いちばん上だった人に2人が昼飯奢るって賭けもしたのに」

「それはいいだろ別に。出水もいんだから」

「じゃあどういう気持ちで奢ってもらえばいいんだよっ！」

「あ、自分が勝つ前提なんだ」

「会う前からもう意識してら」

考えれば考えるほどわかんなくなって、頭はぐるぐる。
うーんうーんと頭を抱えていると、これはヤバイと思ったのか、光がすっとスマホを出してきた。

「とりあえず呼ぶ？」

「あんたバカ？」

「なるみんの口からそのセリフ出るか」

『米屋』と書かれた連絡先を映した画面を見せてくるもんだから、思わずその頭をぺしっと叩いた。

いやわたしだって人のことバカとか言う日が来るとは思ってなかったよ。でもなんか咄嗟だったっていうか、本能的に口から出た。こんなわたしに無意識にバカ判定される光はモノホンのバカみたいだね。

(いやいやいや違うだろ)

……ってそうじゃない。そんな呑気なこと言ってる場合じゃない。
光のおかげで謎に少しの冷静さを取り戻したと思えば、一気に意識は現実に引き戻された。

「…………どうしよう」

「すげえ、Aが本気で困ってら」

「困らせた張本人呑気だなオイ」

「米屋先輩のことは嫌いなの？」

「いや好きだし」

「末期っぽいな」

「とりあえずおかわり食うか？」

聞いといて何なんだよ。確かに米屋のことは好きだよ。そりゃそうだよ、だってマブだもん。……でも、今ユズルが言った『好き』はその『好き』とは別物なんだよね。

友達として好きかどうか聞かれたら、大好きだって即答できる。
だけどそうじゃなく、“そういう意味”で好きなのか聞かれたら、たちまち答えに困ってしまって。ううん、と唸りながら頭を抱えた。ずっと友達だって思ってたのは本当だけど、何故か否定できない自分が分からない。

なんかもう食べなきゃやってけないって気持ちを汲んでくれたらしいカゲさんの言葉に、「食う」と半ば食い気味に返事をした。