まだまだ現役JKですがなにか？【ワートリ】 (ページ11)

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106:やっぱり口軽いよあんたページ11

だけど実際入ってみたら玉の輿どころじゃなくて。そりゃあ入る前に比べたら色んな世代の人と仲良くはなれたけど、恋愛に発展しそうな予感は今のところない。

「そうなの？Aちゃん、可愛いからモテモテだと思ってたんだけどなぁ」

「ゾエさん好き」

にこーっと笑ってくれたゾエさん。ゾエさんはわたしのことバカにしないでいつも褒めてくれるから好きなんだよね。とりあえず指ハート送っといた。ちゅき♡

有難いお褒めの言葉を噛み締めてたら、横に座った光がゾエさんに続くように言った。

「でも、Aって可愛いしコミュ力高ぇから、好きになるやつ多いんじゃねえの？」

なんか今日みんな褒めてくれるね？！

嬉しくなって辺りを見渡すと、ウンウンと頷くゾエさんと当真さん。カゲさんとユズルも相変わらずクールではあるものの、光の言葉を否定しなかった。

「確かに、モテモテになるかどうかは置いといて、ここまでのスペックあったら誰かしら好いてくれる人はいそうだけどな」

「そ、そうですか？付き合います？」

「遠慮しとくわ」

当真さんがジュースの入ったグラスを揺らして、カラカラと氷の音を鳴らしながら褒めてくれて。めちゃくちゃ嬉しくなったんだけどどん底に叩きつけられたよね。……分かってたけど！当真さんは推しだもん。

「だよな！現に私、Aに対する愚痴とか聞いたことねえし、米屋も好きって言ってたし！」

「……え？」

むっとしていると、ケラケラ笑った光が言った。

その言葉に、その場が一気に静まり返る。当の本人は「どうかしたのか？」とでも言いたげにぽかんとしていた。

「え？」

「……え？」

「…………え？」

「……オイ、ヒカリィ」

ピキピキと額に青筋を浮かばせた、カゲさんの低くて静かな声が地を這う。ぴかぴか光る黄色い目で睨まれて、ようやく事態に気づいた光がハッとしたように口を覆った。

あの、もう遅いですが。