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彼の兄…インゲニウムの件だが、敵に襲われ重傷を負い、もうヒーローとして活動するのは難しいそうだ。
飯田本人はつとめて明るく振舞っていたが、ヒーローとしても人としても憧れていた兄が床に伏す姿を見て、果たして彼は本当に平気だったのだろうか。
(……きっとまだ迷ってるんだわ)
ずっと焦がれた兄の名を、本当に自分が受け継いでもいいのだろうか。
ペンを持つ手を僅かに震わせた飯田は、さらさらとボードに文字を書くと、それを持って教壇に立った。
「あなたも名前ね」
『天哉』と。控えめに書かれた彼の名前に、先程までとは打って変わって、落ち着いた口調のミッドナイトが言う。そんな彼女は複雑な飯田の心境を察してだろうか、それ以上掘り下げようとすることはなかった。
……そして。
「？！」
「えぇ緑谷いいのかそれェ？！」
「うん」
最後に教壇にあがった出久が満を持して発表したそのヒーロー名に、その場の皆が驚いた。Aも声にこそ出さなかったものの、目をぱちくりとさせてボードを凝視している。
仮ではあるとはいえ、ヒーロー名は将来ヒーローとして活動していく上でずっと背負っていかねばならない。なのに“その名前”をつけようなんて、到底理解しきれなかった。
普通ならマイナスのイメージと受け取れてしまう言葉だ。
……だが、それは出久も分かっていた。
「……今まで好きじゃなかった。けどある人に“意味”を変えられて…僕には結構な衝撃で、嬉しかったんだ」
思い返すのは記憶に新しい、入学初日での出来事。“その名前”は蔑称だと俯く出久に、にこやかに笑いかけたお茶子の言葉。
「これが僕のヒーロー名です」
ボードにあどけない字で書かれた『デク』の二文字。
出久の中でその蔑称は、もう“木偶の坊”のデクではなくなっていた。“頑張れ！”って感じの、前を向けるようなポジティブなニックネーム。その些細な一言は、彼の心に大きな変化をもたらしたようで。
(いい目、するじゃない)
真っ直ぐな瞳を輝かせる出久の姿に、Aは小さく微笑んだ。
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レナ(プロフ) - 面白いので更新してください！ (3月13日 3時) (
レス) @page17 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
もり - 青柳ちゃんかっこかわいいー！！めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (1月5日 9時) (レス) @page8 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - いろんなヒロアカ小説読みましたが、こちらのヒロインちゃんが1番好き！！強くてかっこいい女子好きです！これからどうやって恋愛展開になっていくのか楽しみです！！更新頑張ってください！ (10月12日 17時) (レス) @page3 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年9月30日 23時
