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そしてやってきた、職場体験初日。
「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ。落としたりするなよ」
ここは雄英高校最寄り駅。相澤の引率が入るのはここまでだ。
それぞれ違う電車に乗って選んだ事務所へ向かう。
未知の世界に対する不安はもちろんあるが、それを上回るほどの胸の高鳴りが、Aの足どりを軽くする。
「はーい！」
「伸ばすな。『はい』だ芦戸。……くれぐれも失礼のないように！じゃあ行け」
元気いっぱいだった芦戸がしゅんと項垂れると、その場の空気も僅かに緩んだ。時に空気を読めずに場を凍りつかせることもあるが、基本的に彼女らのような賑やかし系の面子が盛り上げ番長として士気を上げてくれているのは、Aもよく知っている。
「Aちゃんは都心やっけ？」
「ええ、途中まで一緒に行きましょ」
「うん！行こいこ！」
にっこり笑ったAが言うと、嬉しそうなお茶子が頷く。
……しかし、そんな彼女たちは徐にある一点をじっと見つめ、小さく眉を下げた。
視線の先には、ひとりで乗り場へと歩いていく飯田の姿。
「……飯田くん」
こちらも心配になったであろう、出久が小さく彼の名を呼ぶけれど、ぴたりと足を止めた飯田はこっちを振り向こうとしない。
……飯田の兄、インゲニウムを襲った敵の名はステイン。“ヒーロー殺し”の通称を持ち、彼の暴挙によって死者･再起不能者あわせて30人以上ものヒーローが犠牲になっている。
飯田は心配するAたちに対し、いつも笑って「もう大丈夫だ」と何度も言っていたけれど。凶悪犯に兄を殺されかけて“大丈夫”なんかじゃないことは、痛いほどに理解しているつもりでいた。
「どうしようもなくなったら言ってね、友達だろ」
僅かに震えるその背中に出久が言うと。
「ああ。」
そう、一言だけ。
振り返った飯田は、にっと口角を上げて言ったけど、その目にはまるで光が灯っていない。すぐに踵を返してしまった飯田の足をそれ以上止めることはできなくて、Aたちは顔を見合せた。
……そして後悔することになる。この時にもっと強く言葉をかけていれば、と。
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レナ(プロフ) - 面白いので更新してください！ (3月13日 3時) (
レス) @page17 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
もり - 青柳ちゃんかっこかわいいー！！めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (1月5日 9時) (レス) @page8 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - いろんなヒロアカ小説読みましたが、こちらのヒロインちゃんが1番好き！！強くてかっこいい女子好きです！これからどうやって恋愛展開になっていくのか楽しみです！！更新頑張ってください！ (10月12日 17時) (レス) @page3 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年9月30日 23時
