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植物と炎は相性がいい。何せよく燃えるのだから。
……………だからといって確実にこちらに分がある訳ではなかった。何故なら今回は場所が場所だ。最大火力で吹き飛ばしたいところだが、下手すれば周りの森に引火して大火事になりかねない。
(やっぱ特級相手に朱雀だけじゃあかんか……)
屋根に登り、躓きながらも体制を立て直したAは、懐から4枚の
「『小鬼』、『九尾』」
呪文を唱え、息を吹きかければ、何の変哲もない人型の紙はみるみるうちに姿を変える。そのひとつは九つの尾をもつ狐に、もう3つは小さな異形の鬼となった。
『くぎゅ』
Aの『小鬼』は3種類。先程まで活躍していた『梅』の他に『松』と『竹』が居る。まあ簡単に言えば、伏黒の玉犬(黒と白)みたいな感じだ。
(水ん中なら“あの子”の独壇場やったんやけど…ここじゃ力発揮しにくいし消耗激しいからやめとこ)
小鬼たちと九尾は目の前の敵を見つけるや否や、その瞳に鋭い闘志の光を宿す。更に、上空からは伏黒の鵺も舞い戻ってきた。
「狗巻先輩が止めてくれる。ビビらず行け」
「加減はせんでええからね」
2人が言えば、空から鵺と朱雀が、地上からは九尾と小鬼が動けない花御に襲いかかる。これで仕留められるとは思っていない。逃げながら外にいる教師一同と合流するのが目的。その為にもこの均衡を崩さず、確実に帳の向こうを目指さなければならない。
………………が、
「!」
式神たちが一斉に飛びかかった直後、Aはパッと弾けるどす黒い赤色を見た。その赤は花御のものではない。
「────────棘!」
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時