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その声に、まるで引っ張られるかのように走り出す伏黒と加茂。それに続くように攻撃をかわしながら朱雀が地面スレスレを飛ぶ。


(………………(とばり)?!)


徐々に辺りが暗くなるのを感じて上を見ると、青々としていた空は夜に変わっている。誰かが帳を降ろしたのだ。


「先輩、何が起きてるんですか」

「さぁ…いきなりすぎて私らもさっぱりやねん」

「しゃけ」


開けたところまで出てくると朱雀から降りる。
人数が増えたことで一気に安心感が押し寄せ、ほっと一息をついた。前を見ると、凛とした表情(?)でこちらを見据える呪霊が居る。あの呪霊には梅の爪も、朱雀の炎もまるで効かなかった。それは少なくとも1級……否、特級だと言われても可笑しくはない強さである。


「何故高専に呪霊が居る?帳も誰のものだ」

「多分、その呪霊と組んでる呪詛師のです」

「ゲホッ、」

「なんか知ってんの?」

「以前、五条先生を襲った特級呪霊だと思います。……風姿も報告と近い。あの人の絵でも分かるんだな」


少し前に突如として五条を襲った2体の特級呪霊。
伏黒は、そのうちの1体と目の前の呪霊…花御(はなみ)が酷似していると言った。やはり相手は特級。一筋縄ではいかなさそうだ。…………だが、Aが怖がっているのはそこじゃない。


「五条せんせ襲ったのに生きてる……ってこと?」


呪術師最強と謳われる五条だ。そんな彼を襲って戦ったというのにまだ生きている。それは即ち、相手がそれだけの手練ということ。Aはそう考えるだけでも恐ろしくて、ぶるっと身体を震わせた。


「ほ、ほんまに誰か死んだりとか……もしかしたら私やられて死ぬかも…うわぁあ嫌やまだ死にたくないッ」








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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時

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