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「他人の指図で人を殺すような腑抜けの集まりなの?京都校は」

「認識が違うんだよ。1年(お前ら)には悠仁と過ごした日常がある。俺達もさっきわかった。ありゃ善人。呪術師としては珍しい根明だ」


不満げに眉を顰める野薔薇に、パンダは言う。
先刻も言ったが、虎杖はただの高校生ではなく、呪いの王・両面宿儺をその身に宿している。彼を知らない者からすれば恐怖の対象でしかないのだ。


「感覚的には呪いを祓うのとあんま変わらんと思うよ」

「確かに……呪術師はその辺の境界ボケやすいからなぁ」

「しゃけ」


Aは御札を剥がしながら「これはまずいぞ」と苦虫を噛み潰したような顔をした。「殺す以外なら何をしてもいい」なんてのはおちゃらけた言い回し。そこで本当に死人が出るなんて、そんなの笑えない。


「俺と野薔薇は戻って悠仁の安否を確認する。棘とAはこのまま呪霊狩りを続けてくれ。」

「えっ」

「おかか」


すぐにでも虎杖を助けに行くのが妥当ではないのか。
そんなの嫌、とでも言いたげなAと棘は2人揃って首を振った。


「お前らも悠仁が心配なのは分かるよ。でも俺の妄想が正しければ京都校がやろうとしてんのは団体戦のゴタゴタに乗じた悠仁暗殺。」


団体戦が終われば暗殺もなしだろ、とパンダが安心させるように言うと、「なるほど」とAは幾分か顔色を明るくさせる。団体戦が終われば虎杖は死なないし、A自身、こうして人とやり合うのは嫌いだ。さっさと終わらせてしまおう。


「分かった。私頑張るわ」

「すじこ!」


泣きそうなのをぐっと堪え、手を振りながら棘と一緒に走っていくA。彼女はまだ、これから起こる惨劇を知らない。









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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時

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