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一方、自販機まで飲み物を買いに来ていた伏黒と野薔薇。A達の予想通り、彼らの前には2つの人影があった。
｢ああ、やっぱり…………｣
そこに居たのは、ガタイのいい男と、華奢な少女。
京都校3年生にして1級術師の実力を持つ東堂葵と、真希の双子の妹、真依だ。
A達の見解通り、真依はその怪しい笑みを浮かべたまま嫌味を言った。｢穢らわしい人外が死んで清々したんじゃない？｣と。一方の東堂は、乙骨が交流会に出ないことが気に食わないらしい。
そして何故か伏黒に好みの女のタイプを聞き始めるという奇行に走った。
それに素直に答えた伏黒だった。…………が、
｢───────退屈だよ、伏黒。｣
詰まらない男だと判断されたようだ。一瞬後、伏黒の目の前には、大きな拳が迫っていた。
｢っ…………伏黒！｣
勢いよく吹き飛ばされた伏黒に野薔薇が駆け寄ろうとすると、その首に長い腕が巻きついた。
｢あーあ、伏黒くん可哀想。2級術士として入学した天才も、1級の東堂先輩相手じゃただの1年生だもん。後で慰めてあげよーっと｣
｢……………………似てるって思ったけど全然だわ｣
ふふと笑った真依の言葉に、呆れ返ったように野薔薇がため息をつく。
｢真希さんの方が100倍美人。
寝不足か？……………………毛穴開いてんぞ｣
｢………………口の利き方、教えてあげる｣
チャキ、と腹部辺りで音が鳴った。
｢！｣
真依の左手に握られていた銃の先が、野薔薇の脇腹に添えられる。薄い唇の両端を引き上げて笑った真依は、その引き金に指をかけた。
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年2月12日 12時
