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ぐっ、と拳を握りしめる。Aや他の生徒たちが、王座を勝ち取るために這い上がってきたように、尾白だって本気だった。本気で、勝つためにこの場に来た。だからこそ、嫌だったのだ。
「でもさ！皆が力を出し合い競ってきた座なんだ。こんな……こんな訳分からないままそこに並ぶなんて、俺は嫌だ」
同じ最終種目への切符でも、正々堂々勝ち上がって掴み取った者と、まともに記憶もないような、ほぼマグレともいえる状況で手にした自分とでは価値が違う。考えは分かるが、それは気にしすぎだ、本戦で成果を残せばいいんだと諭すも、尾白はふるふるとその首を振るばかり。
「違うんだ……！俺のプライドの話さ…俺が嫌なんだ
……………………あとなんで君らチアの格好してるんだ」
「……そこ触れないでもらえるかしら」
「ゴメン……」
「気にしないで」
思わぬ所で地雷を踏み抜かれ、Aの瞳がすうっと暗くなる。
「僕も同様の理由から棄権したい」
そこでまた手を挙げたのは、B組の庄田。確か彼も尾白と同じく心操と組んでいた。
「実力如何以前に、何もしてない者が上がるのは、この体育祭の趣旨に相反しているのではないだろうか！」
手段はどうあれ、ここまでのし上がってきた相手だ。戦わず失うのは惜しい。けれど彼らの心意気を聞いた今、Aに彼らを止める理由はなくなった。
しかしどれだけ逸ろうが、結局最終的な決定権があるのは主審のミッドナイトである。尾白や庄田にいくら正当な理由があろうとも、彼女が「出ろ」と言えば、両者のプライドは踏み躙られてしまう訳だが、彼女の采配は……。
「そういう青臭い話はさァ…………好み ! !
庄田、尾白の棄権を認めます！」
(好みで決めた……)
ぴしゃあん！とムチがしなる。何とも雑な理由で、2人の棄権が認められてしまった。
そして開いた2人分の枠には、予選通過は適わなかったが最後の最後まで上位をキープしていた鉄哲チームより、鉄哲徹鐵と塩崎茨が繰り上がり、新たな16名での組み分けが編成された。
「吠え面かかせてあげる☆」
「フン、勝ち気な男は嫌いじゃないわ」
キラリと星を飛ばしてきた第一試合の相手は、同じA組の青山優雅。
出席番号が前後というだけあり、これまでちょくちょく絡みはあったが、こうして改まって戦うのは初めてだ。
(勝つのは私よ……！)
誰が相手でも負ける気はしないと、好戦的な光を灯した瞳が、ニッと細められた。
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まめこ。(プロフ) - 蓬生 綾さん» (°д° )!!今確認してきましたがその通りですね…！すぐ訂正しますね！報告ありがとうございます！ (6月2日 22時) (
レス) id: e800b36b66 (このIDを非表示/違反報告)
蓬生 綾(プロフ) - 凄く面白いです！更新頑張ってください~！ページ7のマイク先生の轟くん紹介台詞ですが夢主ちゃんが2位だったので正しくは3位•１位ではないでしょうか、、？ご報告失礼します。 (2023年2月12日 1時) (レス) @page7 id: 78f3750f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年2月7日 11時
