## ページ44
･
(エンデヴァー……厳格そうってイメージはあったけどNo.2に君臨するくらいの強さは凄いと思ってた……そんな裏ではあんな事情抱えてたのね。何だか見る目変わったわ)
No.2ヒーローの知りたくない一面を知ってしまった。慈悲もクソもない性格をしているとはいえ、Aも人間である。あんなにも辛くて暗い背景を背負った轟のことが気の毒で仕方なかった。
「あの傷跡、お洒落でつけてたわけじゃなかったのね」
「テメェのお洒落の基準は何なんだ」
「価値観は人それぞれでしょ」
そんなくだらないジョークを言わないと、気まずい空気に押し潰されそうだったから。Aは居た堪れない気持ちで、ポケットに手を突っ込んで相変わらず態度の悪い勝己の後ろ姿をぼーっと見ながら、ふと気づいた。
(…………やだ、なんで私が後ろ歩いてんのよ！)
いつの間にか……というか完全に無意識だった。
嫌だわ！と頭をぶんぶん振ったAが少し小走り気味で追いつくと、勝己はそっちを見向きもせずに言う。
「……俺ァあの野郎に同情してどうこうするつもりはねえ。お前もその辺分かってんだろーな」
「勿論」
元より“やり合うならお互い本気で”がAのモットーだ。
勝己もまた、本気の相手を完全に捩じ伏せてこそ意味があると思い続けている。そういう所だけはよく似ている2人だから、お互いを受け入れられずにぶつかり合っている訳だが。
けれどAの勝利に執着するその姿勢を、勝己は少なからず認めていた。騎馬戦のチーム決めで真っ直ぐ自分の元へやってきて、「誰にも負けない自信なら大いにある」と大衆の前で胸を張ったその清々しい笑顔は、未だに脳裏にこびりついている。
いつかAが自分を追い越して、1番になってもおかしくないような実力を持っていると誰より認めているからこそ。
(……ブッ潰してやんよ)
負けたくないと思うのだ。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 236人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！ほんとデクくん可愛いですよね……！こんな弟いたら確実にブラコンです^^ (2022年6月3日 19時) (
レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - デク可愛いなあ、、確か弟属性だ、、可愛い、、、 (2022年6月3日 17時) (レス) @page21 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！青柳ちゃんは心も喧嘩も最強だと思っております笑笑 (2022年6月2日 22時) (レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - めっちゃ面白かったです!青柳ちゃん強し笑 (2022年5月31日 23時) (レス) @page17 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年4月12日 22時
