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完膚なきまでに相手を負かしてこそ、絶対的な差をつけてこそ。
2人の熱気に当てられた切島と瀬呂もニッと笑って、全速力で勝己を勝利の方へと運ぶ。
「ったく！」
「アホ柳！準備は！！」
「なんで進化してんのよ！できてるわ！」
「しょうゆ顔！テープ！」
「瀬呂なっと！」
勝己が足を上げると、瀬呂が開いた肩肘からテープを伸ばす。
テープは物間たちから少し離れた足元にぴたりと張り付いて、どこを狙ってるんだとでも言いたげな物間がフンと笑って振り返った。
「ハズレだ」
刹那、ちょうど物間の騎馬の足元で、コンクリートがピキッと蠢いた。それに気づいた円場が「オイこれ！」と叫ぶがもう遅い。予め蒔いておいた種が一気に芽吹いた。あっという間に足場を取るだけでなく、幾本もの芽が絡み合い、大樹となって物間たちを見下ろした。それは空を裂き、光を遮断する勢いで伸びた巨大な獣。Aの怒りに呼応して、威嚇するようにその鋭い枝を広げた。
「ひ、っ！」
物間の作戦は決して悪いものではなかった。それでも負けた理由は、常にトップを追い求める者とそうでない者の執念の差を考慮できていなかったこと。そして、
「ようやくその胡散臭いニヤケ面がとれたわね……」
Aを本気で怒らせたこと。
『爆豪！！容赦なし━━━━━！！！』
巻き上げたテープで一気に加速し、距離を詰めると、完全に戦意を喪失した物間に強烈な爆破が炸裂する。
『やるなら徹底！コイツらあれだな！完璧主義だな！！さぁさぁ時間ももう僅か！』
さて、まだAたちの狙った獲物は手に入っていない。
物間のハチマキを根こそぎ持っていくと、そのまま方向転換して、出久と轟が1対1でやりあう氷のステージへ。
「
1000万を獲って、華々しく1番を飾る。まだ戦いは終わっていないから。その瞳に宿った闘志は、未だ消えない。
『そろそろ時間だカウントいくぜ！エヴィバディセイヘイ！』
残された時間はたった10秒。誰もが絶望するような一瞬でも、Aは諦めなかった。轟と対峙する出久の方へ、勝己が爆速で飛んでいく。けれど向かった先に、1000万のハチマキはない。
「1000万…………！轟くんだわ！」
逸早くハチマキを見つけたAが叫び、蔓を伸ばす。軌道変更した勝己が轟に飛びかかった時には、既に残り6秒を切っていた。
『5！4！3！2！』
(届かない────ッ！)
『1！TIMEUP！！』
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まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！ほんとデクくん可愛いですよね……！こんな弟いたら確実にブラコンです^^ (2022年6月3日 19時) (
レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - デク可愛いなあ、、確か弟属性だ、、可愛い、、、 (2022年6月3日 17時) (レス) @page21 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！青柳ちゃんは心も喧嘩も最強だと思っております笑笑 (2022年6月2日 22時) (レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - めっちゃ面白かったです!青柳ちゃん強し笑 (2022年5月31日 23時) (レス) @page17 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年4月12日 22時
