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｢言いたくないことがあるのに無理やり引き出すつもりはないから心の面はカバーしきれないけど、勝ち上がるための手伝いはするわよ｣
｢へ？｣
……と、話を終えて帰っていくのかと思ったが、Aはにこやかに笑ったまま出久を振り返る。
｢相手してあげる｣
｢え、？！｣
その言葉に、出久の声が思わず裏返る。その様子から見て言ったことをきちんと理解できていないようだ。そこで今度は言い方を変えて｢私と殴り合うの｣と説明すると、またもや間抜けた声が返ってきた。
みんなに追いつくために、出久は1番を目指すことに決めた。でも個性をうまく使えない。だからここで特訓していたのだ。
そこに遭遇し、彼の決意を聞いたのなら、Aのすることはひとつしかないだろう。
｢人に撃てないなら個性使わずに組手しましょ。何事もまずは基本から｣
｢でもそんな、急に組手なんてっ！｣
突然の事で頭がいっぱいな出久に、袖を捲りながらAが言った。
｢どんな強い個性を持ってても基礎がなってなきゃまるでダメだし、その逆もまた然りね。基本的な組手が強ければそこに個性を乗せて更に動きの幅が増えるの。それと戦いの基本ってやつもついでに教えてあげる｣
｢それは有難いけど、そこまでして何で僕に……？｣
｢君が気に入ったからよ、新芽くん｣
｢キ、キニッ……！！シンメ？！｣
今はまだまだか弱い雑草だけど、彼はこの先、間違いなく大輪の花を咲かせると思った。輝かしい未来ある芽みたいだから『新芽くん』。主に『デク』という軽蔑を込めたあだ名しか付けられたことがなかったのに、いきなり新たなニックネームが出てきた出久は更に焦りはじめた。その反応を前に、何だか面白いな、と密かに思うAである。
｢遠慮しなくていいよ。体育祭前に怪我なんて嫌だもの。ヤバくなったらストップかけるから｣
｢かけれるのか……？｣
出久の頭に、戦闘訓練で作戦を忘れて勝己との戦いに熱中したAがよぎる。青柳さんにストップかけるのは僕になるのかも、と思いつつ、出久はグッと四肢に力を込めた。
経緯は置いておいて、あのエリートのAに組手を教えてもらえるなんて滅多にない機会だ。これを逃す理由はない。
｢お願いします……！｣
構えると、Aの顔からすっと笑みがひいて行く。
その一瞬後、出久の目の前に拳が迫った。
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まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！ほんとデクくん可愛いですよね……！こんな弟いたら確実にブラコンです^^ (2022年6月3日 19時) (
レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - デク可愛いなあ、、確か弟属性だ、、可愛い、、、 (2022年6月3日 17時) (レス) @page21 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 小川優さん» コメントありがとうございます！青柳ちゃんは心も喧嘩も最強だと思っております笑笑 (2022年6月2日 22時) (レス) id: c383897a04 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - めっちゃ面白かったです!青柳ちゃん強し笑 (2022年5月31日 23時) (レス) @page17 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2022年4月12日 22時
