episode #52 ページ4
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清水寺の話を出すと、漸っと芽衣は口を開いた。
瞼にかかるほど長い前髪の隙間からは年相応のくりくりした大きな瞳が覗いていて、Aはいつか京夜に声をかけてもらった時のように、しゃがんで芽衣と目を合わせた。
｢清水寺知らない？今どき教科書にも載ってるよ｣
｢………………学校行ってない｣
｢え｣
しゅんと俯く芽衣の瞳に光はない。
彼女は心に大きな闇を抱えていると一目で分かった。
鬼として生まれただけで常日頃から桃太郎に命を狙われ、怯えながら生きていく。その時点で鬼に幸せはない…とAは思う。そしてこの芽衣という少女も、身体に流れる血だけで未来を定められ、死にゆく運命にあった。Aのようにそれが鬼の宿命だと開き直れる人は少ないだろう。きっと芽衣は心に大きな傷を負い、その傷がずっと癒えていないのだ。
｢学校行ってないって………意外と不良なのかもな｣
｢これだからバカは……｣
｢はァん？！｣
深い慈悲の心で芽衣に寄り添おうとしているのに何てことを言い出すんだ、と四季は眉を顰めてAを睨めつけた。そのバカ発想はとっとと捨てろとでも言いたげなAが四季にひと睨み効かせていると、ざわざわと騒がしい声が聞こえてきた。
｢先生！｣
｢あらま、沢山来たね｣
振り返ると、援護部隊の職員たちが沢山の担架を押して部屋に駆け込んできていた。話によれば、見回りをしていた援護部隊が大量の死体を見つけ、運んできたのだという。大まかに数えてざっと30人はいるだろうか。そんな死体が山ほど放置されていたなんて、とAが不思議に思っていると、芽衣がぎょっとして起き上がった。
｢パパ！ママ！｣
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レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです！しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます！ (2022年1月4日 22時) (
レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました！とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる！ってなって来ました！これからも引き続き更新頑張って下さい！ (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月31日 19時
