episode #67 ページ19
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｢ガキが………………｣
自慢の能力は易々と破られ、今まで余裕そうだった蓬の顔からみるみる笑顔が消えていく。殺意が揺れるその瞳にはもう目の前の鬼しか見えていない。
………………と、その時
｢へえ、それは初耳だな。私は川の中で一晩過ごしたことあるよ｣
｢｢ ！ ｣｣
ビリビリと殺意が飛び交う空気にはまるでそぐわないような、間延びた声が聞こえてくる。迅と蓬が驚いて声の方を辿れば、蓬の足元で胡座をかいて頬杖をつく、Aの姿が。
｢確実に殺したと思って油断したでしょ。脈くらいは見といた方が良かったかも。今度からは気をつけてね。……それより、来る途中で良いもの見つけたの｣
にこやかな笑顔を顔に貼り付け、Aは言う。
その真意が怒っているのか喜んでいるのかは分からないが、その笑顔が偽物であるということは誰の目にも明らかであった。…………そして、
──────チクッ、
Aは笑いながらポケットを漁り、取り出した注射器を蓬の足に突き刺した。注射器の中には他でもない、Aの血が入っている。咄嗟にそれを振り払う蓬だが、既に注射器の半分以上の血を打ち込まれ、ふらりと視界が揺らめいた。
｢何で…………熊でも一発で死ぬ猛毒っすよ……！｣
｢効かないね。私の血液は毒性だから。常に全身に毒が廻ってるようなもんだよ｣
ダメージはないとは言うが、猛毒を打ち消したせいでAの身体を流れる毒の濃度は薄くなってしまっている。この程度の量じゃ殺すことはできないだろう。注射器に残った血を蓬の頭上から流しながら、Aはニイと笑った。
｢私ら鬼はいつだって
先程までの笑顔は何処へやら。偽りの仮面が剥がれたAの素顔に、蓬は言葉をなくしてひゅっと息を飲んだ。
これこそAの血蝕解放、『
白雪姫だなんて嫌味で罵ったのが間違いだった。綺麗な顔を歪めた顔は世にも恐ろしい。真っ赤な唇を引き上げて笑うその顔は正しく“魔女”であった。
｢──────可愛いお嬢さん、林檎は如何？｣
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レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです！しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます！ (2022年1月4日 22時) (
レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました！とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる！ってなって来ました！これからも引き続き更新頑張って下さい！ (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月31日 19時
