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episode #66 ページ18









「はい、これでもう私の許可がないと出られないっす。
一丁あがりっすね」


真っ暗な部屋の中、閉じ込められた迅はそこから出ようと必死で壁を叩いた。しかしその箱はビクともせず、ドンドンという音だけが響き渡る。一方、そんな箱を見て楽しそうに笑った蓬は、「こっからが面白いっすよ」と小さく指を動かした。すると、


(徐々に狭くなってる?!)


箱はどんどん身体を締め付け、縮んでいく。
身動きすら取れないこの状況は決して良いものとは言えないだろう。瞬きひとつするうちに狭くなる箱の中では、もうどうすることもできない。


「体って結構小さくなるんすよ。圧死するまで体感してってくださいよ」

「ブチ破ってやるよ!」

「無理っすよ。鬼の血って結構な集中力と精神力が必要っすよね?その状態で出すのは無理っすよ」


脳は自然のうちに閉所を拒否する。故に思考がままならず、頭が混乱した状態じゃ血を使うなんてこと不可能だ。……普通の鬼なら(・・・・・・)


「────昔を思い出すぜ」

「ん?」


箱の中で、静かに目を閉じた迅が言う。
彼が思い返していたのは、ずっとずっと幼い頃、ダンボールを布団代わりに寝ていたあの日の事だった。


──────ガキン!


直後、刃物が何かに当たる音が立て続けに響いた。

迫り来る閉所で正常な思考を保てるはずがない、と焦る蓬の目の前で、箱はあっという間に崩れ去った。パラパラと散っていく細菌を払いながら起き上がる迅の身体からは無数の切断器具が生えていて、そんな刃物よりずっと鋭い視線で蓬を睨めつける。


「昔、廃墟ビルのダクトで寝泊まりしてた時がある。
汚いし悪臭も酷かった。あそこに比べりゃ今のはまあまあ良い物件だったぜ」









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レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです!しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます! (2022年1月4日 22時) (レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました!とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい! (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい! (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる!ってなって来ました!これからも引き続き更新頑張って下さい! (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年3月31日 19時

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