episode #64 ページ16
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四季たちがいる部屋に戻った迅が聞いた話によると、遊摺部の索敵でいち早く桃太郎の存在に気づいた彼らは既に患者たちを避難させていたらしい。しかし、遊摺部と一部の隊員、それから患者は外に出られたものの、突如黒い壁に道を塞がれ、四季や他の隊員は取り残されたのだという。
そして、京夜やAを探して再び戦場に出た迅の前には、仁王立ちで立ちはだかる蓬の姿があった。
｢アンタがこの通路に行くのが見えたっす｣
そんな彼女の足元には、人の膝くらいまでの高さはある黒い箱。武器でも入っているのかと構える迅とは違い、呑気に棒付きキャンディーを口の中で転がした蓬が笑う。
｢あのチャラい鬼の死体見に来たんすか？｣
｢………………死体？｣
｢唾切先輩が殺したっす…………ああそうだ、確かもう1人いたっすねえ。黒髪のガキ……｣
そう言ってニヤリと笑った蓬が指を鳴らすと、足元に置かれた箱を形成していた黒い細菌が散っていく。そこにあったのは、
｢コイツっすね｣
｢！｣
身体を支える壁がなくなったことで地面に崩れ落ちたのは、他でもないAの姿。血のような赤黒かった瞳は固く閉じられ、透き通る肌に黒髪がさらりと流れた。世にも美しい顔で眠る彼女の頭を踏みつけ、蓬はクックッと喉を鳴らす。
｢猛毒で眠らせたから、もう起きることはないっすね｣
無様な白雪姫っす、と付け足した蓬がもう動かないAの身体を蹴ると、迅の中でブチン何かが切れる音がした。
｢…………怒ってんすか？鬼の分際で仲間意識とかキモイっすね｣
｢仲間意識とかねえよ。俺は俺の目標以外興味ない。
それにそいつはただの死にたがりだ。今頃あの世で喜んでんじゃねえのか｣
｢ふーん…………その割には、｣
Aの頭から足を離し、ふいっと目を背けた蓬の視線の先に、マスクに手をかける迅。そんな彼の背後には、ただならぬ殺気が立ち込めていた。
｢──────殺気すごいっすよ？｣
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レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです！しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます！ (2022年1月4日 22時) (
レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました！とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる！ってなって来ました！これからも引き続き更新頑張って下さい！ (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月31日 19時
