episode #50 ページ2
･
｢旦那、貴方はもう戦闘部隊から外されると思うっす。……でもこれからは援護部隊で一緒に戦いましょうよ。子供と走り回れるように、バチバチに良い最新の義足作らせまっせ｣
隣にしゃがみ、｢リハビリ頑張りましょーね｣と笑った京夜の笑顔に、男性の瞳から涙が溢れた。これで我が子を抱きしめられる、可愛い子供の姿が見られると思うだけで嬉しくて、治ったばかりの腕で涙を拭い、感謝の言葉を述べた。
｢…………これが鬼と桃太郎の戦争だよ。あの隊員が未来の君たちかもしれない。色んな気持ちで前線に行きたい気持ちもマジで分かる！でも！前線だけが戦場じゃない｣
よいしょ、と立ち上がった京夜は相変わらずのチャラい口調で話し始める。戦闘部隊が前を向いて前線に立てるのは、そんな背中を守ってくれる援護部隊がいるからだと、彼は続けた。
｢戦う人の後ろで傷ついた鬼たちを全力で助けるのが俺の……援護部隊の仕事だ。
───────ここが俺の戦場だよ｣
にこりと笑ってそう言った京夜の笑顔は生き生きとしていて、その笑顔にこちらまで心が解れていくのを感じた。昔からそうだった。心を閉ざしたAにもこうして優しい笑顔を見せてくれた京夜だから、Aも懐いたのかもしれない。
｢あんたマジかっけえ！チャラついてて嫌いだったけどマジ漢だぜ！｣
｢分かる！チャラ男だけど痺れたな！｣
(やっぱり第一印象は嫌われがちなのかなこの人)
｢ふへー。俺の株、爆上がりじゃん｣
しれっとチャラ男扱いされ、嫌いだったとまでカミングアウトされても京夜は嬉しそうだ。
｢よっしゃ！何でもするぜ！じゃんじゃん指示くれ！｣
｢……あ、四季くんには別のこと頼みたいのよ｣
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レン(プロフ) - 桃源暗記の夢小説少ないんでめちゃくちゃ嬉しいです！しかもお話も面白くてもう神かなんかですか?!これからも無理せず更新頑張ってください!応援してます！ (2022年1月4日 22時) (
レス) id: 9afc0ca98b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 思わず一気読みしてしまいました！とっても面白いです、更新も無理ない程度に頑張って下さい！ (2022年1月3日 0時) (レス) id: 16a4fd6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 久々に更新嬉しい！ (2021年11月17日 18時) (レス) id: bb356cf189 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヒロアカでまめこさんに出会いまして、桃源暗鬼も書いてる！ってなって来ました！これからも引き続き更新頑張って下さい！ (2021年9月12日 11時) (レス) id: 1c4434e42e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - もうほんと最高です (2021年8月20日 22時) (レス) id: 75eebcd608 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月31日 19時
