episode #46 ページ48
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地下と聞いたのでもっと暗くて薄汚い所かと思っていたが、そこは日本家屋の大豪邸と言われても違和感がないほどだだっ広い。
｢先生！こっちお願いします！｣
｢その後こっちもお願いします！｣
すると、向こうの方からドタバタと走り回る足音と共に声が聞こえてきた。忙しいのだろうかと皆が不思議に思う中、｢はいはい｣と呑気に間延びた声がしたかと思うと、襖がガラリと開いた。
｢カリカリせず悠々と行こうよ｣
そんな暇ありませんよ、とツッコまれながら登場した白衣の男。彼こそがこの京都支部の長、援護部隊総隊長である
両耳に幾つものピアスを開け、『チャラ男』という言葉がなにより似合いそうな京夜はAたち一同を見渡すと、わっと声をあげた。
｢あれ？！ダノッチじゃん！｣
無陀野を見て目をきらきらさせた京夜は、｢いつ来たの？LINEしてよ！｣と戦場にはそぐわない明るい声で言った。クールな無陀野と呑気な京夜の組み合わせは誰から見ても不自然で仕方なく、四季たちはぽけーっとそのやり取りを眺めていた。
｢嘘っ！可愛い子いるじゃん！俺、前髪大丈夫？！うわァー！ちゃんとVO.5でセットしてえ！とりあえずLINE教えて！｣
｢チャラい奴マジ無理｣
｢うわぁへこ………………まなぁい！タイミングって大事だもんね！｣
京夜は水鶏をナンパしようとするも呆気なく断られ、落ち込むのかと思いきや勢いよくサムズアップをした。そしてAは思う。｢“変わってないなあ”｣と。そんなことを思いながらやり取りを眺めていると、不意に京夜と目が合った。
｢…………え、もしかしてキミAちゃん？｣
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月21日 14時
