episode #24 ページ26
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ぐっと親指を立ててみせるAに｢ほんとに大丈夫なのかよ……｣と思いつつも、案外けろっとした様子にホッとした四季。庇ってもらったとはいえ危なかったのは確かだし、帆稀にも怪我はないか聞こうと振り向く四季であったが、
｢ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……｣
そこには、背を丸めて地面に座り込み、土下座する帆稀の姿があった。目にいっぱいの涙をため、ごめんなさいごめんなさいと謝り続ける帆稀の瞳に光はない。
｢私のせいで怪我させて本当にごめんなさい……｣
｢気にしてないって。残念ながらこの程度の傷じゃ死なないし死ねないよ。だから顔上げて｣
｢ごめんなさい本当に………………。死んで詫びるしかもうないです…………｣
死んで……？とAの顔色が一瞬変わる。
だが、その間にも状況は動いていた。帆稀の鼻から溢れた血が、詰め込んだティッシュを押しのける勢いで地面に流れていたのだ。そしてその赤は帆稀を包み込むように、みるみる広がっていく。
｢そんなに謝んなくた、って…………｣
｢3人とも逃げてください……じゃないと…………｣
地面に広がった血はどろどろと渦巻き、おどろおどろしい巨人へと形を変えた。その巨人には目がなく、がぱりと空いた口からは滝のように血が流れている。血を巨人に変える的なものが帆稀の血蝕解放なのだろうか。しかし、これと正面からやり合っても勝てるはずないと、第六感が頭の中で警報を鳴らした。
｢……──────この子が殺しちゃうので｣
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月21日 14時
