episode #17 ページ19
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｢俺が守る！｣
まるで小動物のような帆稀に愛着が湧いたのだろう。
フンッとドヤ顔で決めポーズをしてみせた四季だったが、帆稀は更に焦って首を振るばかり。
｢え？！そそ、そそんなめっそうもない……。
多分落ちるの私なので…………本当……邪魔にならないことを第一に……その、すみません…｣
(謙虚かよ…………！)
(うわァ、ポジティブ)
いつまでも謙遜してばかりの帆稀にもときめいてしまう四季に心の中で密かにそう思いながら、まあ一応ペアなのでAも迅に一言かけておくことにした。
｢黒葛原A。ここで挨拶して何になるか知らないけど、一応名乗っとく｣
｢………………｣
(………無視ですか)
勇気を出して声をかけたというのに、迅は返事どころかAに見向きもしない。｢よろしく｣とか、｢うん｣とか、一言くらいあってもよくないだろうか。ひたすら沈黙が流れる中、どうしていいか分からなくて益々死にたくなってきたAの肩に、ぽんと手が乗った。……四季だ。
｢てめえこのクソマスク！この子が声掛けてんのに無視してんじゃねえよ可哀想だろうが！｣
｢……………………はァ｣
｢あ？！今お前ため息ついたのか？！あ？やんのか！｣
｢今からやるんでしょ｣
｢ンンン相変わらず毒舌…………まァいいや！協力して俺ら3人でクリアしようぜ！お前もあんな野郎と一緒ってのも嫌だろ？な！3人で！｣
｢そんな…どうせ私なんて足を引っ張るだけなんで…｣
系統の違う美女2人を守ってカッコつけられると調子に乗りまくりの四季は、全力で協力関係を否定されてもポジティブだ。そしてそのテンションを絶やさず、迅に向かって中指を立てる。
｢残念だったな、お前もうぼっちで終わりだ！｣
｢…………いちいち絡むなよ。構ってちゃんか？｣
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月21日 14時
