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episode #09 ページ11
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｢え？｣
突如として教室の扉が弾け飛び、人が転がり込んできた。その鈍い音に、Aはリスカに及びそうになる手を止める。
｢アイツ泣かす…｣と鼻を擦りながら身体を起こすその人をよく見ると、先程縛り上げられていた少年だとわかった。まさか本当に生きていたのか、と感心したも束の間、少年はすっくと立ち上がり、ずかずかと教室内に踏み込んで来る。
｢うわ！鼻血出てんじゃんダサッッ！誰かティッシュ持ってねえ？｣
だらだらと鼻血を垂れ流して喚く少年。
静まり返り、冷えきった空気に気圧されることもなく、彼は辺りを見渡すと、Aの2つ前の席の金髪に明るく話しかけた。
｢なあお前ティッシュ持ってんだろ？マスクしてるし花粉症とかだろ？ティッシュちょうだい！｣
初対面でいきなり花粉症と決めつけるのはどうかと思うが、少年は如何にもフレンドリーな笑顔を浮かべて金髪に近づく。が、その金髪は少年の明るい笑顔を見るなり眉根を寄せた。そして一言。
｢話しかけるな｣
心底嫌そうな顔をして、金髪少年…改め、
｢てめえ随分な口きくじゃんか…………｣
｢………………はァ｣
(分かりやすくため息ついてる)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月21日 14時
