09:夢と現の狭間、鶯は声を見つける ページ9
･
｢Aか？｣
A｢え｣
敵は青いプラズマの剣を使う消防官だった。
私の炎とプラズマがぶつかって爆風が起こると、顔に被さる布が吹き飛んだ。
で、冒頭の台詞に戻る。
｢お前Aだろ？あの倉庫に住んでた…｣
A｢私を知ってるの？｣
倉庫、A…………間違いなく私の事だ。
でもどうして消防隊が私を？
｢俺はアーサー･ボイル。忘れたか？毎日会いに行ってたじゃないか｣
A｢ごめんね。覚えてない。
……………………もしかしてコレくれたのも？｣
服の内側にしまってあったネックレスをひらひら見せると、コクコクと頷く、えーっと誰だっけ、…………あ。アーサー。
A｢ワスレナグサの花言葉。
『私を忘れないで』。…………忘れちゃって申し訳ないね｣
アーサー｢戦うつもりなのか？｣
A｢邪魔者を殺すのが私の役目｣
アーサー｢顔見知りの幼なじみでも？｣
A｢貴方は私を知ってるかもしれないけど、私は知らないから。｣
どうでもいいんだ。だから、私が地獄に落ちないためにも死んでよ。
A｢お願いだから｣
アーサー｢そのお願いは聞けないね｣
『もう少し我儘言ってもいいのに』
A｢！｣
アーサー｢どうした？｣
A｢っ来ないで｣
頭に浮かんだ、声と風景。
またこの感覚。何だろう。失った記憶？
A｢やだ、嫌だ…………｣
アーサー｢オイ、A？｣
『いつか絶対ここから出して、色んな景色を見せてやるからな』
『いいよ。ここを出るなんて無理だから。
死にたくなければさっさと帰る』
『なんでそんな酷いことばっかり言うんだよ、何歳児だ？』
『5歳』
A｢うう、……………………｣
アーサー｢頭が痛むのか?!｣
A｢やだ………………｣
『あげる！今日お誕生日なんだろ？』
『これ、いいの？』
『うん』
『ありがとう！大事にする！』
そこに居るのは誰？
優しく笑う、貴方は一体誰なの。
A｢アーサー……………………？｣
『俺はアーサー･ボイル！君は？』
『………………………………A』
アーサー｢思い出したか？｣
そうか。これをくれた人は君だったんだ。
ずっと暗かった倉庫に毎日のように遊びに来ては私に怒られて。それでもめげなかった。
またその手を取れば、あの頃みたいになれる？
『クソガキ、逃げるなよ』
A｢っ！｣
･
10:ティエドゥール･ランタン→←08:枯れた笑顔に水をかけたら、また花咲くのかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まめこ。(プロフ) - しらぬいさん» ありがとうございます！！嬉しいです！ (2020年5月24日 8時) (
レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
しらぬい - 初めまして！「騎士王に愛されています。」が好きで、こちらも読ませて頂きました！めっちゃ泣きました……アーサーがもう…かっこよすぎです！！「騎士王に愛されています。」も応援しています！！ (2020年5月23日 22時) (レス) id: 0e73265dcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめこ。
| 作成日時：2020年5月21日 15時
